イラスト:鈴木ハルナ


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Home 相談員のコラム 相談員コラム…シェアハウス考②  私の経験

PostHeaderIcon 相談員コラム…シェアハウス考②  私の経験

 1981年の冬、私は就職も決まり、学校の近くの相模原から職場である新橋の通勤圏への引っ越しをもくろんでいた。回りの友人たちはそういう場合、都心の家賃の高さにびびり、1時間30分程度なら通勤できるし、交通費は会社からもらえるしというので、そのまま住み続けるパターンが多かったのだが、私はどうしても長時間通勤がいやだった。

 たまたま数人の友達と飲んでいたら、その中のSが「私も渋谷に決まった。」というではないか。「朝の小田急線はやだね。」「うんうん。」「風呂付きに住みたいね。」「そうそう」と話が盛り上がり、1人じゃ無理だけど2人ならどうにかなるというので、同居しようということになった。酒の上の約束は(覚えている限り)守る2人は早速、部屋探しに都心へ行った。条件は5万円台、そして振り分けであることの2点。あれこれ不動産やを回ったが、2DKというと金額はともかく振り分けという物件がなかなかなく、続き部屋がほとんどであったが、やっとのことで東横線祐天寺に56,000円の振り分け物件を発見、すぐに見せてもらった。

 自然豊かな幼稚園の隣で、1Fに大家さん、2Fに2件の賃貸がある家で、6畳と3畳の振り分けの和室に2畳ほどの台所とトイレ、そして後付でつくったドアの外のお風呂という造りであった。建物は古かったが、駅から徒歩3分、商店街もすぐの静かな住宅地で、何よりベランダが2畳ぐらいあり、隣の幼稚園の緑が借景というのに一目惚れして2人して即決した。3畳間がS、6畳間が私でそのうち半分は共用とした。共用部分に私の持ってきたこたつを置いて、Sの持ってきた貴重品のカラーテレビがあり、そしてその頃の贅沢品№1の電話を引いた快適な住まいとなった。

 経費は共用の財布に毎月4万円ずつ入れ、その中から家賃や光熱費、電話代、米代を払い、残りで一升瓶の日本酒を2本ほど買えた。日常生活はあまり決め事はせず、掃除や食事など各自適当にやっていたし、友人知人のお客さんが多く、にぎやかであった。一番助かったのは私が急性腎炎になったときで、Sは病院に付き添い、入院後は着替えをもって毎日職場帰りに寄ってくれた。お互いに手取り10万円ほどの収入であったが、シェアハウスのおかげでいろんな意味で生活にゆとりがあったように思う。

 4年ほどそんな生活をし、Sに恋人ができて結婚することになり、シェアハウスは解散となった。その後、私は大家さんが家賃をまけてくれたので、そのまま一人暮らしをした。おもしろいのは妊娠した彼女がどうしても東京で生みたいといい、しばらくそのまま住み続けことだ。彼氏が通い婚のように時々きて、大きなお腹でぎりぎりまで働き、近くの病院で無事出産した。出産後1ヶ月いたのだが、新生児中心の生活で、私もあれこれ手伝い、沐浴なんぞ見よう見まねして結構楽しかった。おかげで成人したその子に今でも乳母といわれている。

 シェアハウスぐらしの魅力は、①経済的なこと、②共同生活の安心、③人間的刺激、④他人と暮らす経験だと思う。①②は説明しなくても理解していただけると思うが、今振り返ると③④の体験が貴重だったかな。自分では絶対見ない映画を見たり、本を借りたり、一緒に住む相手からの刺激、何となく集まる人たちからの刺激、他人と暮らす醍醐味だ。そして他人と暮らす経験は、その後家庭をつくる上でとてもいかされる。

 家族の始まりは他人同士なのだが、夫や妻、子供や保護者という役割が固定化し優先され、対等な関係がだんだん歪んでくる。ニュートラルで対等な他人との暮らしを知っていれば、そんな歪みが自覚しやすい。いっしょに暮らして、自分が遅く起きてゴミ出ししてもらっていたら「ありがとう」だし、相手が風邪引いて寝込めばおかゆのひとつも炊く。めげてれば一杯飲んで話を聞くし、忙しいときはついでに自分のところも掃除機をかけてもらう。対等な他人との暮らしでは、できることはするけど、してもらって当たり前はないし、一方的がまんもない。男でも女でも、対等な他人との暮らし経験はその後にとてもいい影響を与えると思う。

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