イラスト:鈴木ハルナ


オンリーワン同好会

相談員長野が運営委員として参加するオンリーワン同好会(ボードゲーム、ソリティア)です。 よかったらのぞいてください。

Amazon販売サイト

Amazonでボードゲーム“ソリティア”を販売しています。

YAHOO! ショッピング シグネット制作部

YAHOO! ショッピングでボードゲーム“ソリティア”を販売しています。

老後の住まい

画像をクリックするとアマゾンの紹介ページへ飛びます。

中高年のダイエット

画像をクリックするとアマゾンの紹介ページへ飛びます。


Home 相談員のコラム 相談員コラム…シェアハウス考③  シェアする老後

PostHeaderIcon 相談員コラム…シェアハウス考③  シェアする老後

 前回は若い頃の私の話だった。今回はつれあいの叔母の話である。長いこと友人と同居暮らししていて、数年前86歳でなくなった。叔母さんの生き方は、結構、貴重な事例なので紹介したいと思う。

 この年代の女性は、相手となる男性が戦争で沢山死んだため、結婚出来ずにシングルだった人が多い。今ならなんてことはないが、結婚あたりまえの世の中で、これは結構しんどかったと想像できる。戦死した男性はもちろん、戦後シングルで生きざるを得なかった女性もまた戦争犠牲者だ。叔母もそんな一人で、田舎にいてもしょうがないと思ったのか、20代のころ単身上京した。飲食店の仲居さんをしながら、そこで一緒に働く年下の同僚のAさんと部屋を借りて同居した。同居のきっかけは、シェアハウスの動機付け一番である「安く住む」だろうが、ウマがあったのかこのAさんと結局ずっと死ぬまで同居する。私が会ったのは、つれあいと一緒になってからだから、すでに二人ともおばあちゃんだった。

 40年ほど大きな料亭で働いたので、お互いに厚生年金をもらい、リタイア後もちょっとしたアルバイトで小遣い稼ぎしながら気ままに暮らしていた。住まいは賃貸アパートを2人で転々としたようだが、そのころは東京郊外のAさんの友人が経営する2DKのアパートに暮らしていた。

 その大家さんも一人暮らしのおばあちゃんだったのだが、娘さんが急死し、残された赤ん坊の孫娘を引き取っていた。ひとりでは面倒見切れないので、子供好きのAさんが手を出し始め、叔母と、大家さんの3婆が赤ちゃんを育てたのだ。たまたま用事で叔母に電話すると小さな女の子が出たので、事情がわかった。Aさんは社交的で友達も出入りし、そんな友達たちとつれだって遊びにいったり、みんなでご飯を食べたり、孫娘の幼稚園行事に3人で参加したり、賑やかな生活のようだった。その後、叔母は急死したのが、そのときもすぐに連絡をもらい、後の始末もAさんや大家さんに大いに助けられた。

 老後のことがニュースになるたび「叔母さんいい老後だったね。」とつれあいと話す。もちろん、Aさんとけっこうシビアなけんかもしたようだし、叔母さんが急死しないで介護が必要になったらとか、いろいろ考えるが、何日も人と口をきかなかったという一人暮らしの孤独とは無縁だったようだ。

 叔母さんの生き方を見ると、老後は他人と暮らすと言うのもいいなと思う。叔母さんたちは、世間的に考えれば、夫なし子供なしで、家もなく、頼れるのは自分のささやかな年金のみという厳しい老後だった。しかし、こうして仲間と一緒に支え合うことで、結構楽しそうに暮らしていた。UR賃貸も友人同士の同居を認めているし、これからは「賃貸住宅に他人と一緒の老後生活」という暮らし方も増えるだろう。老後を一緒に気持ちよく暮らせる友人が見つかれば、金銭面、生活面、健康面、精神面どれをとってもワンランクアップする。

 もし広い一戸建てに一人暮らしだったら、次のようなやり方もおすすめだ。気の合いそうな同年配の友人と共同生活をしつつ、子育て真っ最中の母子家庭や学生さんなどの下宿人をとても安い家賃でおく。時々、バイト代を払って気軽に頼み事ができれば、なおいいだろう。

 老後の共同生活について、みんながあこがれをもってあれこれ語るが、踏み切る人は少ない。「もし、うまくいかなかったら」と考えてしまうようだ。たぶん、老後のシェア生活で一番大事なのは「出入りの自由」をお互いに保障することだろう。長く住めば、お互いに頑固になり衝突もあるだろうし、個人の事情も変化するだろう。介護のために施設入居だってあるかもしれない。理由はいろいろだろうが、一緒に住むのが修正出来ないほど苦痛になったり、個人の事情の変化で継続出来なくなったりしたとき、気持ちよくやめられる自由をお互いに認めあうことが重要な前提だ。

 これさえクリアできれば、もっと気楽に始められるだろうし、また別の所でやり直しもできる。気持ちの問題だけでなく、お金もきっちりしておかないと、やめるにやめられなくなったり、後味の悪い思いをしたりする。始めるときは高揚しているので、何でもうまくいく気がするが、脱退や解散も含め、最初にきちんと取り決めをして、文章に残しておこう。できたら、第三者に入ってもらうといいだろう。

 老後と言っても、介護など人の手を借りなくてはいけなくなるのは、人それぞれとはいえ、おおむね80代になってからだ。60代からの20年~25年、持病はあっても結構元気なこの時期に、他人とのシェアハウス暮らしを楽しむのも1つの選択肢だと思う。

※前の記事は左の「相談員のコラム」で読めます。