イラスト:鈴木ハルナ


オンリーワン同好会

相談員長野が運営委員として参加するオンリーワン同好会(ボードゲーム、ソリティア)です。 よかったらのぞいてください。

Amazon販売サイト

Amazonでボードゲーム“ソリティア”を販売しています。

YAHOO! ショッピング シグネット制作部

YAHOO! ショッピングでボードゲーム“ソリティア”を販売しています。

老後の住まい

画像をクリックするとアマゾンの紹介ページへ飛びます。

中高年のダイエット

画像をクリックするとアマゾンの紹介ページへ飛びます。


Home 相談員のコラム 相談員コラム…よき相続③

PostHeaderIcon 相談員コラム…よき相続③

 「終わりよければすべてよし」だけれど、この相続でうまく事がはこんだポイントが3つあったと思う。1つは身近な友人がいたこと。2つめは財産がシンプルで適度だったこと。3つめは遺言執行人を指名したこと。

 まず良かったと思うのは、Aさんの存在だ。40数年の同居人で、ある意味家族以上の関係だった。遺言さえあれば、Aさんが相続するのが筋だと思うが、本人がいやがった。もしAさんがいなかったら、私たちには叔母さんのことについて財産状況も書類のありかも何もかも分からなかっただろう。もしかしたら、死後、警察が調べ身元確認できるまで、死んだことすら知らなかったかも知れない。一番良かったのは口頭でも叔母さんの遺志が分かった点だ。遺言書があればなお良かったが、遺志がわかっただけでおおいに助かった。本人がどうしたかったかが分からないと、まわりはどうしていいか分からない。叔母さんに身近な友人がいて本当によかったと思う。

 次によかったと思うのは、財産が郵便局の貯金400万円のみだったという点だ。葬式やお墓の費用に充分で、かつ人が冷静でいられる金額だ。一桁少ない40万円だとうちの持ち出しになっただろうし、これが一桁多い4,000万円だったら、14人もの相続人の同意を得るには時間がかかったかも知れない。しかも現金であったのも良かった。もし、不動産だったら大変さ倍増だっただろう。

 最後に良かったのは、つれあいを遺言執行者に指名した点だ。何か自画自賛でいい人みたいだが、そういう意味ではない。誰かがリードしないと事がすすまないし、叔母さんは意図しなかったけれど、結果的に相続に利害のない人物だったので、うまくいったように思う。もちろん「あなたたちがもらうべきだ」という親戚も居たが「そうですか」ともらったら、この話はまとまらなかっただろう。

 一年後、義母がどうしても叔母さんの墓参りがしたいというので、一周忌でもあったし親戚一同に案内を出したところ、相続人もみんな遠方から叔母の遺骨のある東長寺に来てくれた。おいしい会席料理をたべつつ、子どもの頃の叔母さんの思い出話で盛り上がった。甥や姪といっても60代70代で会う機会もないいとこ同士なので「叔母さんのおかげだ」と喜ばれた。死んだ叔母さん、Aさんたち、相続人たち、なにより立て替えたお金が無事戻り、かつ貴重な経験をさせてもらった私たち、まずは「よき相続」だったのではないだろうか。

 相続には遺志が明確になる遺言書が大事だと知られてきたが、実は遺言書を書いて仏壇の引き出しに入れて満足してはいけない。肝心なのは死後その遺言書がきちんと開封され、実行されることにある。子どもとの同居が少なくなった今、Aさんのように、死後すぐに関係者に連絡をくれる身近な友人、知人の存在がとても大事だ。そして遺言を実行してくれる遺言執行人も決めておき、できれば遺言書のコピーをもっていてもらおう。

 遺言書の中身で大事な点は、財産分与と遺言執行人の指名である。みんな財産分与に目が行きがちで、遺言執行人を指名しない自筆遺言書も多い(公正証書遺言の場合は必ず入れる)。だが、仕切る遺言執行人がいないで、相続人たちにまかせるともめ事の種となる。この遺言執行人は法的には誰でもいいが、相続の利害が絡む人間は止めた方がいい。もちろん弁護士さんや司法書士さんなどにお願いできればベストだが、信頼できる人がいれば、個人の事情を理解している身近な人がいいだろう。連絡を取り合っている友人や知人、相続に絡まない親戚などにお願いし、引き受けてもらえれば安心だ。もちろんこの場合、報酬はきちんと遺言書に明記しよう。実際経験すると相続がいかに面倒かわかるが、昼間に動けない普通のサラリーマンではたぶん無理だと思う。また、他人の遺言執行人をやろうという善意の人は、お金を要求しないかもしれないが、だからこそ、その大変な労力と時間に対してお礼をしないのは失礼だと思う。

 以上が叔母さんの相続から得た教訓である。


※前の記事は左の「相談員のコラム」で読めます。