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Home 相談員のコラム 相談員コラム…経済からみた原発

PostHeaderIcon 相談員コラム…経済からみた原発

原発震災がいまだに収束が見えない中、その被害の全容はわからない。避難した方々への賠償、農業や漁業など一次産業の被害保障、製造業や観光など産業へのダメージ、国際的信用低下、汚染地域の買い取りや土壌改良費、廃炉の費用や残留する高濃度の放射性廃棄物の長期管理費用、そして63万テラベクレル(安全委員会の推定)という天文学的数字の放出された放射性物質の回収、金額にするといったいいくらになるのだろう。

その財源は東電や政府が負担するのだろうが、最後は電気料金や税金で私たちが支払うしかない。原発は安いと言われ推進されてきたが、ひとたび大事故が起きればべらぼうに高い電気代となる。

大震災以前は「反原発」「脱原発」はタブー視され、ほとんど見聞きする事はなかった。まして、経済界では「CO2削減の切り札」「原発ルネッサンス」「海外輸出」一色であった。そんな中で、私の知る限りきちんと「反原発」の態度表明していた経済人は2人いた。一人は京セラの稲盛会長である。静岡の反原発団体の行なった「浜岡原発差し止め」署名に名前を連ねている。もう一人はさわかみ投資信託の澤上社長だ。著書の中で「ひとたび事故が起こればその経済に与える損害ははかりしれない」という主張をしている。実際、投資において原発関連株は買わないそうだ。おふたりとも人の顔色を伺わなくてもいい立場ともいえるが、勇気と先見性がある。

静岡地裁の「浜岡原発差し止め訴訟」で中電の証人で出た斑目春樹氏(現在安全委員会委員長)が「割り切らなければできない」と言っているように、あらゆる事故の可能性に対して安全を考慮すると、原発は運転できないのである。安全を経済的に見合うレベルに下げて運転してきた結果がこの震災である。「想定外」というが「想定したらできない」もしくは「想定したくなかった」というのが電力会社の本音だろう。

今後、原発はどうなるのだろう。今回、あぶり出されたように原発産業で生きてきた既得権益のある人たちがこれだけいると、すんなりと「脱原発」にすすむとも思えない。先日イタリア政府は6月に予定されている原発の是非を問う住民投票の気勢をそぐために「凍結」を言い出した。これと同じように、原発推進派は「安全性が確保されるまで、新規建設は凍結します。そして、現存の原発は安全運転に徹します。」という死んだふり作戦に出るだろう。そして数年経ってほとぼりが冷めたころ、電源の確保や津波対策の壁といった小手先の「安全対策」で又復活させようともくろむだろうと思う。

しかし、私たちはこれだけの原発震災で痛い目を見て学ばないほど愚かではない。脱原発の市民運動も盛り上がっているし、経済界でも堂々とソフトバンクの孫正義社長ように「脱原発」を発言し、行動する人が現われた。もっとも保守的と言われる金融業界でも大手の信金である城南信用金庫が「脱原発」を宣言している。また、22日の日経には東京電力のライバル東京ガスが家庭用燃料電池(エネファーム)や風力発電を強化するという記事がある。

この原発震災をきっかけに、一時は後始末のために高い電気代や税金というお高い勉強代を支払わなくてはならないが、それでも「原発にたよらない安全な社会」への合意が作れればいいなと思う。自然エネルギー産業の隆盛や効率的小型発電の開発、そして公共性を盾に送電線を独占してきた電力会社から送電を切り離し、発電を民営化できれば競争が生まれ、電力の安定供給や電気代の値下げも可能になるだろう。経済からみた原発には、どう考えても未来はない。

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