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Home 相談員のコラム 相談員コラム…いまお金の事を考える意味

PostHeaderIcon 相談員コラム…いまお金の事を考える意味

震災以降、自分のお金観がずいぶん変わったと思う。震災前までは今日のような明日が来ることを疑わなかったから、FP相談でも相談者のキャッシュフロー表をつくって何十年後のことを一緒に考えられた。しかし、震災によって、家族や家、仕事をいっぺんに無くした被災者の方々を見て「明日は我が身」と思うと、頭が真っ白になって思考が停止してしまう。こんな状態で人様のキャッシュフロー表なんて作成できるのだろうかと悶々としていた。

 しかし、私たちの日々の生活は震災前と変わらず、お腹もすくし仕事もする。気持ちとしては次第に「明日何が起こるか分からないから考えても意味がないという刹那的思考」から「明日が不確定だからこそ今を大切にしたい」と強く思うようになった。未来のための今ではなく、平凡で大切な日常を積み重ねて未来が来るという感じだ。

今は“いざ”という時だ。みんな“いざ”という時のために貯蓄に励む。被災しなかった人も、日常を取り戻すために、今こそ貯めたそのお金を使うときなのだと思う。日常が取り戻せたら、またゆっくり未来のことを考えればいい。

震災後のお金のことで“おやっ”と思ったことが2つある。一つ目は震災後物価が上昇しなかったこと。経済の常識から言えば、供給が不足すると物価が上がりインフレを起こす。世界中どこでも、天災のあとには物がなくなり物価が高騰し、やけを起こして暴動や略奪が起こるのが普通だ。しかし、今回は被災地だけでなく東京のスーパーでも食品棚が空になるほど物が不足したが、ほとんど通常価格であった。お店は一儲けたくらんで恨みを買うより、評判を気にしただけかもしれないが、よく考えれば自由競争の資本主義社会なのに不思議な現象だった。良く言えば節制がある行動だし、悪く言えば自己規制を強要する統制社会の一面も見える。

もうひとつは、こんな震災にあったのだから、自己防衛のためにお金を貯め込む方向に走るのかと思ったが、意外やみんなお金を使っている。それも自分のためだけでなく、結構人の為につかっている。義援金や寄付といった直接的にお金を出すだけでなく、ものを買うことで仕事や雇用を守ろうという意図的な消費行動も見られる。タンスや通帳にお金をしまい込むより、大きな意味でコミュニティを支えるためにお金を使おうという指向性が見える。今までは単に安さや便利さで物を買うだけだったのが、消費の先の生産まで気になり、自分のお金が社会の中でどう使われるのかを意識し始めたということだろう。これってすごいことだ。

今は非常時なのでお金の使い方だっていつもと違う。家や車、家電など耐久消費材や贅沢品を買おうというマインドは冷え切っているが、食品や衣類など日々必要な物は買うし、家族やコミュニティの為にお金を使う機会も増えるだろう。暑い夏をくぐり抜ければ、秋から東北の復興需要で景気も上向くし、建築資材を筆頭に物価も上がるかもしれない。そうして薄皮をはがすように日常がゆっくりもどってくる。いまは早く平常に戻りたいけど、この貴重な体験を忘れちゃいけない。そんな気持ちだ。

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