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Home 相談員のコラム 相談員コラム…プラス五万円の老後⑧

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●不動産を生かす-3

〈リバースモゲージ〉

 私は横文字にめっぽう弱い。この「リバースモーゲージ」もどこかで聞いたことがあるけど、すぐに忘れる横文字のひとつだった。でもある日、新聞で「家はある 時間もあるけど 金は無し(詠み人)六十三歳 定年自由人」という筆文字の短冊を写した広告を見たとき、ストンと理解した。個人的に広告大賞を上げたいくらいの飛び切りの的確さだ。

 持ち家があり、定年後自由な時間を持て余しているが生活費に余裕がない、という高齢者に向けて、自宅を担保にお金を貸す「不動産担保ローン」の広告だ。この「不動産担保ローン」とは、今までは住宅ローンというお金を借りて自宅を購入したが、それを完済して名実ともに持ち家になった自宅を担保に今度はお金を借り、返済はせず借入者の死亡時に住宅を処分して返済資金にあてるというものである。リバースは「逆の」、モーゲージは「担保」という意味で「逆ローン」とも言われる。

 私は転居を厭わないが、老後は出来る限り自宅に住みたいという人が多い。内閣府の平成21年版『高齢社会白書』によると、将来自分の体が弱ったときに望む居住形態について、「現在の住宅にそのまま住み続けたい」「現在の住宅を改造し住みやすくする」をあわせ、62.8%が現在の住宅に住むことを希望している。しかし、自宅という財産はあっても、現金が無いという高齢者は本当に多い。実際、大きなお屋敷に住み、固定資産税を払うために食費を削り、爪に火をともすように暮らしていた方も知っている。そんな高齢者のために、リバースモーゲージは自宅を手放さず、資産を現金化するすぐれたものなのだ。

 日本のリバースモーゲージは、1981年に武蔵野市が福祉制度の一環として始まった。2002年に厚生労働省が「長期生活支援資金」として導入し、都道府県社会福祉協議会が実施している。その位置づけは「高齢者世帯のうち一定の居住用不動産を有し、将来にわたりその住居に住み続けることを希望する場合に、当該不動産を担保として毎月生活資金の貸付けを行うことにより、その世帯の自立を支援することを目的とする。」という福祉制度である。

 その後、群馬銀行や中央三井信託銀行など民間金融機関も参入したが、対象が限定されていたり(群馬銀行は群馬県内のみ、中央三井信託銀行は一都三県と愛知、大阪、京都、兵庫のみ)高額物件(中央三井信託銀行の場合、土地評価額が4,000万円以上)のみだったりした。アイデアは素晴らしいが、制度として使いにくく、公的機関も民間銀行のリバースモーゲージも残念ながら実際の利用は微々たるものだった。

 しかし、上記の広告を出した「東京スター銀行」の「充実人生」という商品が出て、状況が好転し出したようだ。まず、対象物件が全国であり、評価額も500万円以上である。なにより、一戸立てだけでなく、マンションもOKなので使える人も一気にグンと広がった。銀行の算定する評価額は時価の6割程度なので、銀行評価額500万円なら時価833万円程度の家なら対象となる。この金額なら、首都圏だけでなくても対象不動産は多い。

 この商品の特徴は、融資を毎月5万円とか10万円とか一定額で入金されるのではなく、数百万円~数千万円とまとまった形で入金されるため、リフォームや入居金など必要に応じて資金を利用できる所だ。返済は金利分のみ毎月返済し、元本は原則死亡時に売却して一括返済する。また、極度額までは何度でも融資可能であり、資金の使用目的が限定されていない。(ただし、事業資金や投資資金はダメ)
 しかも、「預金連動型ローン」というこの銀行特有のシステムで、普通預金残高と同額のローン残高分には利息がかからない。融資資金は普通預金口座に入金され、その資金を口座から引き出さない限り、利息の支払いはない。

 以下、パンフレットからの抜粋である。

【「充実人生」の貸付対象と主な条件】

・55歳以上80歳以下。配偶者がいる場合、配偶者の年齢が50歳以上

・年収150万円以上

・自己名義の一戸建てに住んでいる、単身世帯または夫婦世帯であること

・契約時に判断能力があること。代理人ではなく、本人の契約が必要


【「充実人生」の内容】

・融資限度額   土地評価額の80%以内(居住しない場合は70%以内)を上限に、
500万円以上1億円以内

・融資期間      終身(なお、契約者が亡くなっても、配偶者が条件を満たしていれば、
引き続き使える)

・借入金利      同行の基準金利+2.8%(変動)。ただし借換の場合は、+4.0%。
         同行の普通預金残高と同額分までは金利がかからない

・返済           毎月金利分のみ返済。死亡から6ヵ月後に一括返済するが、その方法は、
                 相続人が元金を返済する方法と、担保物件を同行で処分する方法の
                  2通りから選択。もちろん、返済以上に売却できれば相続人が受け取る。

 この商品がいいのは、使い道が自由であることだ。公的制度ではあくまで福祉目的なので困っている高齢者の月々の生活費補填でしかなかった。しかし「充実人生」の目的をみると「生活資金、借金の返済、ケアハウスの入居金、国内外の旅行、海外長期滞在、別荘、セカンドハウス、自宅のリフォームなど」と何となく夢がある。もちろん表題の「プラス5万円生活」も充分可能だ。

 おもしろいのは、パンフレットの片隅に小さな文字で「セパレートライフの資金制作のために」と書いてあったことだ。何のことかと言えば「ご夫婦がそれぞれ別の人生を歩むための資金としても、お借り入れできます。」とのこと。仲のいい夫婦は二人で旅行に行く費用に使い、顔も見たくないという険悪な夫婦は別々の人生を歩む資金にする。老後の自立と自由を支えるお金ということだろう。すごく前向きな感じがする。


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