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PostHeaderIcon 相談員コラム…1000円床屋

 野田総理がQBハウスの1000円カットに行って話題になっている。たぶん庶民派を演出したいのだろうが「鰯(いわし)の土光」と同じようにヤラセでもインパクトは強い。今まで菅前首相を除いて、安部、福田、麻生、鳩山と歴代首相が毛並みの良いお金持ちだったせいもあり“清貧”はとても心地いいのだ。このニュースは総理の庶民性と同時に、1,000円カットが、ときの総理が利用するほど社会的に認知されているという事実を伝えている。

 実は日本はこの20年デフレで苦しんでいるが、その特徴として大まかに言うと製造業での製品価格の下落と、一方、サービス業の価格上昇という傾向がある。差し引き若干のデフレ状態なのだ。たぶん、実感としても耐久消費材(家電や家具など)や衣料品は安くなったなあと思うけど、医療や福祉などは逆に高くなったなあと感じるのではないだろうか。

 製造業は海外の安い賃金で商品を作ることによって製品価格の下落を実現したが、サービス業はその場、その時のサービスに対する対価なので、ほとんどが人件費で大幅な下落は無理だと言われていた。そのサービス業でもいよいよ価格が下がり始めたのだ。

 床屋さんというのは典型的サービス業で、規制に守られた良く言えば“懐かしの昔ながら”の、悪く言えば“旧態”の業種であった。利用料は学割や年齢などで微妙な差はあるが、3,000円から4,000円である。一方、ニューヨークなどではかなり前からサービス業の適正化が進行していて、カットも1000円台の格安のところから、クリントンが利用した2万円から3万円のところと、利用者のニーズに合わせ、かなり開きのある価格設定であった。日本でも一部地域ではあるが、前述のQBハウスをはじめとして、ひげそりや洗髪なしでカットのみ1,000円(10分程度で仕上げる)というお店が流行している。

 私はショートなので、月一回は美容院カットが必要だ。今までは地元の美容院で決まった人にやってもらっていたのだが、激戦区だそうで2年前統廃合された。同じ人に同じようにカットしてもらうのに、店の経営者が変わっただけで2,800円が4,400円になり、納得できず止めた。今はネットで探した近くの美容院で1,300円(65歳以上は1,100円)だ。本当にカットだけで、洗髪やひげ剃り、パーマや髪染め、マッサージなどは一切無く、最後に掃除機の先にブラシのついた物で切った毛を吸い込む。かかる時間は15分程度であるが、カットは手早く上手だし問題はない。よく考えれば、カット以外の洗髪などはみんな自分でできる。

 ここに通うようになって、びっくりしたのは客層の多さだ。男性は床屋さん、女性は美容室という壁も今ではかなり曖昧になったが、それでも今まで行った美容院は圧倒的に女性、それも若い人が多かった。でもここでは、杖を付いた老夫婦やじっとしていられないちびっ子、ガテン系の中年男性などと本当に客層が広い。一体今までこの人たちはどこで散髪して来たのかと考えさせられる。

 もちろん、床屋さんの4,000円という価格設定にも手間や設備費を計算すれば必然性があるのだろう。しかし、製造業の分野で液晶テレビ(32インチ)が20万円だったのが5万円とこの数年で四分の一になったように、いよいよサービス業にも適正化の波が来ている気がする。日本全国どこに行っても床屋さんは4,000円という時代から、サービスや付加価値によって1,000円から2万円の価格設定になりつつある。

 このことがいいか悪いかという議論はあまり意味がない。もちろん、働く人の犠牲の上に成り立つビジネスモデルは論外だが、床屋さんや美容室がパックで提供してきたものをギリギリまで削ってなりたつ1,000円床屋で助かる人は多いのも事実だ。衣料だってユニクロやしまむらのようなお店もあるし、高級ブランド店もある。同じように、サービス業においてもいろんな選択肢ができてきたということだ。

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