イラスト:鈴木ハルナ


オンリーワン同好会

相談員長野が運営委員として参加するオンリーワン同好会(ボードゲーム、ソリティア)です。 よかったらのぞいてください。

Amazon販売サイト

Amazonでボードゲーム“ソリティア”を販売しています。

YAHOO! ショッピング シグネット制作部

YAHOO! ショッピングでボードゲーム“ソリティア”を販売しています。

老後の住まい

画像をクリックするとアマゾンの紹介ページへ飛びます。

中高年のダイエット

画像をクリックするとアマゾンの紹介ページへ飛びます。


Home 相談員のコラム 相談員コラム…「ラストマネー」から生命保険を考える②

PostHeaderIcon 相談員コラム…「ラストマネー」から生命保険を考える②


 前回に続き、NHKドラマ「ラストマネー」を取り上げる。第二話は「自殺と事故死」のお話である。実直そうなサラリーマンがリストラされて、自宅も手放しアルバイトで家族とカツカツの生活している。しかも、借金があると言う設定。そんな彼がある晩、会社の飲み会の帰り、自宅と反対方向の道路で交通事故死する。事故死なら生命保険がもらえるが、自殺だと免責期間中なので一円も出ない。

 自殺と生命保険についてどのくらいの人が正確な情報を知っているだろう。「自殺では保険はおりない」「自殺でももらえるはずだ」といろんな意見が飛び交っている。それもそのはずで、バブル崩壊後この20年ほどで、生命保険における自殺の扱いが大きく変容しているのだ。

 元々、商法第51条(保険者の免責)では、

     死亡保険契約の保険者は、次に掲げる場合には、保険給付を行う責任を負わない。ただし、第3号に掲げる場合 
     には、被保険者を故意に死亡させた保険金受取人以外の保険金受取人に対する責任については、この限りでな
     い。
         一  被保険者が自殺をしたとき。
         二  保険契約者が被保険者を故意に死亡させたとき(前号に掲げる場合を除く)。
         三  保険金受取人が被保険者を故意に死亡させたとき(前2号に掲げる場合を除く)。
         四  戦争その他の変乱によって被保険者が死亡したとき。

つまり、自殺では保険金は支払われないことになっている。

 ただ、これはあくまで「原則」を示したもので、多くの生命保険は、遺族の生活保障の立場から加入より一定の期間が経つと、自殺でも保険金が支払われる規定になっている。なぜ、一定期間を設けたかというと、自殺を前提に保険に加入されては困るからである。保険に入って一週間後に自殺されたら、保険会社もたまらない。すぐ自殺したい人を思い止まらせ、保険支払をしないための期間がこの「一定の期間」であり、これを免責期間という。免責期間は時代によって変遷し、ついこの間の2000年頃までは1年であったが、今はおおむね3年となっている。

 なぜ伸びたのかというと、免責期間が1年だと、保険金目当てで自殺するために加入する人が出てくる。実際急増したのが1999年で不良債権問題がピークを迎え、経営に行き詰まった中小企業経営者が自殺し、保険金を借金の返済に充てようとするケースが見られた。このような保険金目的の自殺について、裁判で公序良俗に反し無効(つまり保険金が支払われない)という判決がいくつか出て混乱を極めたのだ。

 もう一点、免責期間の延長の最大の要因は自殺者の増加である。大ざっぱに言って、交通事故死が年間5,000人に対し、自殺者は3万人にもなる。自動車事故での死亡より、自殺者は6倍なのである。すべての人が生命保険に加入している訳ではないが、保険は死亡率を元に計算するので、増額分を保険料に転嫁する事も出来ず、免責期間の延長となったようだ。たぶん今後、免責期間が更に伸びて3年から5年、10年になるだろうと思う。

 ドラマでは、夫は自殺ではなく、子供の運動会を撮影するため同僚にビデオを借りに行く為に自宅と反対方向に歩いていたことがわかり、事故死扱いとなり遺族は保険金がもらえた。事故は気の毒だけど、遺族にお金残せてよかったね。という結末である。これが「保険金目当ての自殺」だったら、どういう結末だったのかなあ。

 保険会社にとっても自殺か事故死かという事例は増加しているだろうし、保険会社が「保険金目当ての自殺」に厳しい目を向けている以上、経済的苦境を自殺では解決できないと思ったほうがいい。

 なお、自殺は病気死亡の扱いなので、「傷害保険」など事故やケガが原因で死亡した際に死亡保険金が出る保険では、対象外となる。

 次回は第三話を取り上げたいが、話が保険金殺人になるとFPの手にはおえないので、ドラマから保険会社と契約者の関係を見直そうと思う。

※前の記事は左の「相談員のコラム」で読めます。