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Home 相談員のコラム 相談員コラム…ああ年金③ ―― 厚生年金は積立方式にすべし!

PostHeaderIcon 相談員コラム…ああ年金③ ―― 厚生年金は積立方式にすべし!


 厚生労働大臣はあまりのブーイングの激しさに来年の法案提出はしないといった。しかし、もし改革案通りに厚生年金の支給年齢が68歳に引き上げられると、現在の平均寿命が男性79.59歳(21年度簡易生命表:厚生労働省資料より)なので、11.59年しかもらえなくなる。70歳支給になれば10年を切ってしまう。しかも今より減額された年金だ。「エーッ! 10年しかもらえないの!」という悲鳴が聞こえてきそうだ。

 厚生年金制度をこのままで維持しようとすると、支給総額を減らす算段をするしかない。年金支給の引き上げや20時間以上働くパート労働者の厚生年金への強制加入、厚生年金の夫婦での折半などなど、小手先の改革案では、ますます整合性がとれなくなり、傷口を広げそうだ。マスコミも連日昼のワイドショーで「年の差婚では損!」といった枝葉の議論を繰り広げている。

 少子高齢化などにより、厚生年金制度の根幹であった「世代間の支え合い」というシステムが機能しなくなったのが現状だ。したがって一刻も早く、自分の積み立てた年金は自分がもらう制度に変えたほうがいい。現在、年金積立金が厚生年金分で119兆円と国家予算を超えるほどの額がある。今なら移行に向けた対策が様々に取れる。

 今まで払った分を年金積立金で補填し、今までの分と、これから払う分とをきっちり各自の口座に積み立てる。当然、積立金が足りなくなると思われる。足りない分のみを条件の低下(支給年齢の引き上げ、遺族年金の縮小など)で補う。

 ただし、条件を低下させる前に、年金を受ける側に運用の柔軟性を持たせたい。そのための提案が2つある。ひとつは“支給年齢の選択制”だ。老齢基礎年金の支給は65歳だが60歳から繰り上げ支給できる。一月あたり0.5%の減額となるが、早く手にすることができる。これを厚生年金にも導入する。支給開始年齢に60歳~70歳までと幅を持たせる。そして65歳を100%とし、それに合わせて減額、増額していつでも支給開始できるようにする。これなら、減額されても予定していた年金の7割~8割は支給され、0円ということにはならない。

 もうひとつは“60歳時点での脱退を認める”ことだ。例えば、早期退職で今後もらえる給料をあきらめる代わりに退職金を割り増すように、厚生年金を脱退したい人に自己負担分+αの一時金で支払うという方法も考えられる。今後、悪化の一途をたどりそうな厚生年金を脱退し、一時金を手にして自分で運用した方が安心できると言う人もいるだろう。

 国家による強制加入年金というのは、一見国民の老後を考えているようで「馬鹿な国民にまかせておけない。」という官尊民卑の表われだ。でも国に任せていたらこのザマで「年金は国が運営するから絶対安心だ。」とは今や誰も思っていない。強制されたあげく加入時と条件が変わるのだから、加入者に止めるという選択肢があってもいいだろう。

 企業にとっても年金の負担は重圧だ。企業の税金というと“法人税”だが、法人税は黒字の場合に支払うので、経営の苦しい赤字の企業には関係無い。実際、日本の企業の75%は赤字なので法人税を払っていない。それに比べ、強制加入の年金は労働者を雇えば、赤字だろうとお金が無かろうと、借金してでも払わなければならない。第一、徴収や事務手続きを企業はタダでやっている。

 年金の企業負担分は、一階の基礎年金と二階の厚生年金は労使折半なので半額、三階の企業年金はほぼ全額だ。企業年金は任意なので、すべての企業にあるわけではないが、あっても確定給付年金(将来もらえる年金額が決まっているタイプの年金。確定拠出年金に移行中)なので、年金準備金が企業財務を圧迫している。

 日本の企業は外国企業との競争や円高で四苦八苦であり、政策的には雇用負担を軽減すべきであろう。それにもかかわらず政府の主張は「労働者を70歳まで雇用しろ。パートをもっと厚生年金に加入させろ」という無理難題ばかり。本音は年金支給年齢の更なる引き上げと、金集めだ。これでは製造業は海外に逃げ出したくなるし、サービス業など人をおおぜい雇う企業はお手上げになる。国が出来ない分を企業に負わせるのでは、とても徴収額が増えるとは思えない。

 年金制度が国や企業に“おんぶにだっこ”される時代は、もはや終わった。税金で賄う基礎年金、積立方式の厚生年金、そして足りない分は自助努力で備える。私の考える年金制度はこれしかない。

 次回は最終回で全額所得控除できる自分年金を考える。

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