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Home 相談員のコラム 相談員コラム…ああ年金④ ―― 自分年金で優遇税制を使い倒せ!

PostHeaderIcon 相談員コラム…ああ年金④ ―― 自分年金で優遇税制を使い倒せ!

 

 前回までの提案は、1)税金(消費税)で賄う基礎年金、2)個人別積立方式の厚生年金、3)そして足りない分は自助努力で備えるというものだった。自助努力で貯める年金を “自分年金”と言うそうだ。でも、何もかも我慢して闇雲に貯金すれば良いというものでもない。厳しい家計費から何十年もコツコツ老後の為に積み立てるのだから、確実にしかも効率よく貯めたい。そのキーワードは“年金の優遇税制”だ。  

 そもそも自分が稼いだお金には税金がかかる。その名もずばり「所得税」である。累進課税制と言い、多く稼ぐほど所得税も高くなる。課税所得額により5%~40%の所得税がかかり、住民税(10%)と合わせると、15%~50%にもなる。例えば給与所得500万円(額面給与約690万円)の場合、単純に所得税と住民税で計算すると約107万3千円(500万円×30%-42万7500円(控除額)=107万3千円)にもなる(もろもろの控除は含まないで計算)。もちろん、社会保険料や扶養控除などが引かれた課税所得に税金をかけるので実際はもっと少ないが、毎月もらう給与明細を見て、「額面給与だったらなあ」と思わない人はいないだろう。

 やせ細った“手取り給料”から家賃やら食費やら水道光熱費、通信費などいろいろな家計費が出て行く。そして、そんな厳しいやりくりして自分の老後のために預金する。もし「その預金が課税所得から引かれる」としたらどうだろう?

 例えば、毎月2万3千円貯金するとして、上記と同じ所得で試算すると、所得税と住民税で
500万円(課税総所得)-27万6千円(毎月貯蓄額2万3千円×12ヶ月)×30%-42万7500円(控除額)=98万9700円
なんと、8万3300円もお得となる。

 今どき、27万6千円を預金しても金利は0.02%ほどなので55円ぐらい。なのに年間8万3300円の節税とはにわかに信じがたい。「そんなウマイ話があるはずはない」と思うかも知れない。これがあるのだ。それが今から説明する“年金の優遇税制”だ。


 国も自分で年金を貯めてもらえればありがたいので、あれこれ税金の優遇でバックアップをしている。一番知名度があるのが自営業者向けの「国民年金基金」だが、企業年金(第三層年金)の無い人に向けて「個人型確定拠出年金」という制度もある。いずれも国民年金基金連合会が行なっている。これらは全額、所得控除になる。つまり自分のために貯めた年金は“稼いだお金”から引くことができるのだ。軽く“優遇”と言っているが、上記の通り税率自体が高いので効果は絶大だ。超優遇と言っていい。自営業者のための「国民年金基金」はよく知られているので、今回は「個人型確定拠出年金」を紹介したい。

 残念なことに「個人型確定拠出年金」は世の中に本当に知られていない。確定拠出年金=企業年金と思い込んでいる人が多いが、企業型と個人型があり個人でも加入できる。加入条件は「企業年金に関係ない人」で、これを満たす人は自営業者、アルバイトやパートなどの非正規雇用の人、企業年金のない中小企業の勤め人などじつに幅広い。専業主婦(三号)や共済年金に加入している人は加入出来ないが、日経新聞によれば、加入出来る人は日本で実に3千数百万人。しかし活用者は13万人しかいないそうだ。

 一番の問題は誰も教えてくれない事。連合会も告知に熱心ではないし、会社の総務も教えてくれない。何より窓口となる銀行や保険会社などの金融機関はもうけが薄いのでやる気がまったくない。HPで「個人型確定拠出年金」を検索すれば、意外に沢山の金融機関が扱っている。中には自分が取引している金融機関もあるかもしれない。

 簡単に概要を説明すると、窓口の金融機関で申し込みをして、自分で金融商品を選び、毎月一定額を積み立て、60歳になったら年金もしくは一時金で受け取る。商品ラインナップは預貯金や投資信託、保険など豊富にあるので、リスクとリターンを見極めていくつか分散して選ぶとよい。金融機関によって手数料にかなりばらつきがあるので慎重に選ぼう。

 税金をおおまけする優遇制度なので、いくらでもというわけにはいかない。上限額は自営業者(一号)が国民年金基金や付加保険料と合わせて月額6万8千円、会社勤めの個人(二号 企業年金等の年金制度がない人)は月額2万3千円と決まっている。

 以下、個人型拠出年金のメリット、デメリットである。

●メリット

掛金の全てが所得控除になるので、大きな節税ができる。
・受け取る際に、公的年金等控除(年金の場合)や退職所得控除(一時金の場合)が利用できる。
・運用の成績次第なので、上手く運用できれば、かなり大きな金額が受け取れる。
・国民年金基金とは違い、物価連動商品を選べばインフレに対して強い。
・転職や中途退職をしても、確定拠出年金の持ち運びができる。(ポータビリティ)
・運用中の収益は全額非課税でそのまま投資できるので、複利効果がかなり期待できる。
・付加年金との同時利用ができる。

■デメリット
受給開始まで資産を引き出せない
・元本保証ではないので、運用により給付額が変動する。
・確定拠出年金の資産管理の維持費がかかる。
・掛け金の変更は年に一度きり。

 所得控除による節税が何十年も使えて、利子は非課税、かつ貰うときは公的年金と同じ扱い。まったく至れり尽くせりだ。問題は積み立てたお金を60歳まで一切使えないこと(今回の震災で特例として引き出せることになった)。この点さえ押さえれば“自分年金”は個人型確定拠出年金で積み立てるのがいい。ただし、国民年金の未納者は加入できない。


 年金はこのあとどうなっていくのか? 選挙向けに面倒なことを後回しにする政府と、既得権を頑固に守る高齢世代、このまま手を打たなければ、最悪イタリアのようにIMFの監視下に入り、強制的に支給額の減額や支給年齢の引き上げが行なわれるだろう。そういう事態にならないとこの年金制度は根本的に変えられないかも知れないと、絶望的な気持ちになる今日この頃だ。本当に“ああ年金!”だ。


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