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Home 相談員のコラム 相談員コラム…津波避難所を兼ねた倉庫

PostHeaderIcon 相談員コラム…津波避難所を兼ねた倉庫


 昨年「津波避難ビル」というコラムを書いた。東海地震や東南海地震、南海地震など大地震が予想されているのに、沿岸部では逃げる高台がない所が多い。大規模な防潮堤や莫大なお金のかかる高台移転でなく、すぐに避難出来るビルが欲しいというものだった。今日(1/14)の日経新聞にそれに関連する記事がのっていたので是非紹介したい。見落としそうな小さな記事で、内容は民間の一企業が津波避難所を兼ねた倉庫を建設するというものだ。すぐれたアイデアなので、全文紹介する。

 「家庭用品のレックは静岡県中部に津波の避難所を兼ねた物流倉庫を建設する。約6億円を投じ、津波の圧力を受け流す設計にした地上22mの倉庫を今夏に開設。屋上を緊急に一時避難所として活用してもらい地域貢献にも役立てる。
 倉庫は静岡県吉田町の海岸から500mの位置に建設する。3階建てで、避難所となる屋上は面積が約830平方メートル。『一時的避難であれば1000人が避難出来る。』という。食料等を備蓄する場所も確保する。
 建物は海側部分が津波を受け流す台形状。一階部分は海側・山側ともにシャッターを開放でき、引き波の際も水の逃げ道を確保し、押し流されるのを防ぐ。土台を固定するために地中に埋め込むくいを同規模の倉庫の2倍に増やし、液状化現象や津波による地盤の緩みへも対策を取る。」
 完成予想図の写真も載っているが、先端が台形の大きな箱船のような形で、底の部分に水を逃がす大穴が開いている。

 このレックと言う企業は「檄落ち君」(洗剤を使わないで汚れを落とすスポンジ)で知っていたが、こんなことする企業とは知らなかった。何が素晴らしいかって、上場はしているものの、社員数360人という決して大会社とは言えない一民間企業が、自腹で1000人もの人を救う施設をさらりと建てるというその行為だ。20兆円とも言われる復興予算(税金)を当てにして「それ特需!」だと大規模な土木工事を企む利権屋企業に爪の垢を飲ませたい。

 レックの社長インタビューを読むと、年間1000種類もの商品を投入しているそうだ。きっと日々生活用品のアイデアを練り、知恵を絞っているのだろう。そうした創意、工夫する土壌があって、今回のような倉庫の上に津波避難所を作るというアイデアと、船の形と穴で水を逃がすという斬新な構造が生まれたのだろうと思う。

 ダムや道路を筆頭に治水、津波対策などの公共事業は何百、何千億円もかけ、もめてもめて決まるまでに何十年もかかり、いったん決まれば不要になっても止めることができない。それに比べ、レックは創意と工夫というソフト面の強さで、なんと軽々と津波対策を考えるのか。震災からたった一年で、しかもたった6億円の低予算で、1000人もの人を救える建物をつくる。しかも、平時は倉庫として役に立つ。このしなやかな発想、日本の民間企業は大したもんだと思う。でも、折角のアイデアも1カ所で終わりではもったいない。後にこんな企業が続々続くように、行政も誘致のための工夫に汗をかいて欲しい。

 この吉田町、実家の隣町なので、今夏はこの“現代の箱船”の実物を見に行こうっと。

 

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