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Home 相談員のコラム 相談員コラム…老後の住まい③ “田舎暮らし”と“海外移住”

PostHeaderIcon 相談員コラム…老後の住まい③ “田舎暮らし”と“海外移住”

 
 まずは“田舎暮らし”。老後の夢として語られ、雑誌やテレビでも良く取り上げられる。日曜日の夕方に「人生の楽園」という番組がある。たまに見るのだが、5060歳代の勤め人が定年もしくは早期退職して思い切って田舎に移住する。退職金で念願の凝った家を建て、年金をベースに趣味やお店、野菜作り、釣りなどを満喫するうらやましいお話だ。「明日からまた満員電車で仕事だ。」とブルーになる日曜日の夕方に、現役世代はどんな思いで見ているのだろうと少し心配になる。

 FPの中にも物価の安さなどから、老後に田舎への移住を勧める方も多い。自然の豊かさなどのメリットや楽しさはすでに充分語られていると思うので、今回は私から見た心配事を書いてみたい。

 “田舎暮らし”のネックはすばり草取り、雪下ろし、冠婚葬祭、そして一番の弱点は自動車だ。最初の3つに苦笑いを浮かべた方は、田舎の出身もしくは田舎暮らしの経験者だろうと思う。
 先日も、東京育ちの知人から「家を借りたら、隣から草取りをするようにと苦情が来た。」という話を聞いた。本人は「何でこんな事言われるんだ。」と不思議そうだったが、私は彼女のお隣さんに同情する。草取りは学校の校庭ぐらいでしかやったことがないという都会の人に草取りの苦労はたぶん理解できない。田舎(小都市でも農村でも)に住んでいて草ボウボウは許されない。草は恥であり、這ってでも草取りはしなければならない。草の種が飛ぶとかさまざまなことが言われているが、理由は定かではない。しかし、草の呪縛は根深く、自分で出来無ければ、なけなしのお金でシルバーさんを雇わざるを得ない。草取りは田舎の年寄りが苦にするNo1だ。

 雪下ろしについては、私は雪国に住んだことがないので実感として分からないが、今年の豪雪ニュースでお年寄りが「夜中に家がミシミシ言って怖かった。」と言う話を聞いたり、重い雪の除雪の映像を見たりすると、年取ったら無理だなと思う。

 冠婚葬祭費も一時、生活改善運動で香典一律500円という時代もあったが、あっという間に元にもどった。田舎は家賃や農産物の物価は確かに安いが、全国で流通する物の値段は田舎でも同じだ。冠婚葬祭費は長くからの付き合いや親密さから、都会人が考えられないほど多いし、一番の最優先となる。だから、なけなしの年金から食費を削っても捻出する。まったく田舎の冠婚葬祭費はちょっとぐらいの田舎の物価の安さは帳消しにしかねないほどだ。

 都会から来たからと何でも田舎の冠婚葬祭につきあう言われもない。過剰反応で、祭りや冠婚葬祭にめり込む人が居るが、田舎には年功序列や男尊女卑など良からぬ点も多々ある。自分の主義、主張を変えてまで、適応すべきか、自らの立ち位置を踏まえ、距離を持って考えるべきだろう。

 これら3つ、草取り、雪下ろし、冠婚葬祭は都会から田舎に移住するときにネックとはなるが、草取りや付き合いは変わり者と言われても良ければ無視も出来るし、降雪だって家の構造である程度対処も出来る。問題は自動車だ。田舎と言っても様々だが、買い物、病院、郵便局、役所など生活に必要な場所は徒歩圏に無いことが多い。バスなど公共交通機関があればいいが、田舎暮らしは基本、自家用車が必要となる。どんなに田舎が自動車社会なのかは真夏の炎天下を見れば分かる。数万人程度の市の駅前でも人はほとんど居ない。ゴーストタウンかと思うほどだ。登下校を別にすれば、人は歩かないし、人通りもあまりない。みんな自動車で移動するので人影を見かけないのだ。

 ただ、いつかは自動車に乗れない日が来る。そうなったとたん田舎暮らしはとんでもなく厳しいものになる。どんなに自然が豊かで人情味があふれていても、車に乗れなくなったら、買い物や医者がよいも出来ず、生活は直ちに困窮する。自動車に乗れる60歳代70歳代のうちなら田舎暮らしも満喫できるが、体の自由がきかなくなってからの死ぬまでの長い間はちょっと無理かも知れない。富山市や青森市などには高齢者を徒歩圏で生活できる街の中心に集めるコンパクトシティ構想などがあって希望は持てるが、現状では、「家を売り、何もかも精算して都会から田舎に移住」というのは無謀だろうと思う。

 次回は海外移住を取り上げる。

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