イラスト:鈴木ハルナ


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Home 相談員のコラム 相談員コラム…老後の住まい⑥ 小さいお家の居心地

PostHeaderIcon 相談員コラム…老後の住まい⑥ 小さいお家の居心地

 
 経済や効率は別として、私は小さい家が純粋に好きだ。「何故か?」と考えると、自分の原体験に行き着く。初めて親元を離れ一人暮らしを始めたのは、18歳だった。トイレ、お風呂共同で小さな流しと半間の押し入れがついた家賃8000円の四畳半の古い木造アパートだ。その西日の当たるアパートの出窓に腰を掛けた時のことを良く覚えている。自由や自立という高揚感(実際は親がかりだったが)もあって、この部屋を初めて“自分の巣”だと感じた。

 その後、長い一人暮らし、友達とのシェアハウス、家族を持ってからと住まいも何度か変遷したが、いつもあの西日の当たる部屋が原点のような気がする。あの部屋が私の空間認識にぴったりと来る居心地の良い広さなのだ。

 小さな家で私が「いいなあ」と思う家を2軒紹介する。1件目は「ヒヤシンスハウス」といい、戦前、詩人にして建築家だった立原道造が、別所沼(現在のさいたま市南区)のほとりに建てようと構想していた週末用の別荘である。本人は50もの試案を練りながら建てることなく、肺結核のため1939年に24歳で亡くなった。私はこの試案のスケッチを雑誌か何かで見たのだが、これが実にいいのだ。広さは5坪に過ぎないけれど、簡素にして住みやすそうだ。そして、家具に至るまで立原の美意識が息づいている。

 そんな「ヒヤシンスハウス」が2004年立原道造の 関係者の手によって、別所沼公園内に建てられた。写真を見ると人が住んでいるわけではないので、生活感はないが、かなり忠実に建てられていて確かに居心地が良さそうだ。特に窓からの眺めがいい。花のきれいな頃に一度訪れてみたいと思わせる。

 もうひとつは今年の1月12日の朝日新聞でも紹介された「ル・コルジュジエの小さな家」だ。1924年、建築家ル・コルジュジエが両親のためにレマン湖のほとりに建てた小さな家で、16m×4m(64㎡)という必要最小限の広さに、老親とくに母親が動きやすい動線を考え抜いた作りだ。父親は入居から一年で他界したが、母親は1960年100歳で他界するまでにこの家で暮らしたそうだ。ここも幅11mの窓が広がり、レマン湖が見渡せる。

 この2軒とも16.5㎡、64㎡とはっきり言って狭い。都心のワンルームマンションや狭い2DKの間取りと同じ広さだ。しかし、これらの家は小さいけれど狭さは感じられない。それは窓が外に広がっているからだと思う。この小ささと外につながる窓の存在に私たちの老後の住まいのヒントがある。老後の暮らしは体力や生活力、経済力は下って行くが、外との広がりさえあれば小さな家こそ住みやすい。老後の住まいが自分の解放区となる条件は窓の開いた小さな家、そんな家いかがですか?

 次回は具体的かつ現実的な小さな家について考える。


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