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Home 相談員のコラム 相談員コラム…生命保険を考える②

PostHeaderIcon 相談員コラム…生命保険を考える②

 
 保険の種類は大まかに3つに分類される。「生命保険:人の生死に関して定額給付する保険」「損害保険:一定の偶然の事故を補填する保険」「第三分野:傷害・疾病・介護などの保険」だ。火災保険や自動車保険などの損害保険は「不慮の事態に備えるための助け合いシステム」という意味でわかりやすいし、医療保険などの第三分野の保険も前回述べたとおり費用対効果は疑問だが、分からない保険ではない。しかし“生命保険”はとにかくむずかしい。その理由は貯蓄性にある。

 では、何故わかりにくいかというと、その成り立ちを聞けばよく分かる。日本の保険は明治14年(1881年)にできた明治生命から始まる。保険になじみの無かった日本人に「掛け捨て保険」は理解されず「いつかは必ずもらえる」貯蓄性が最初から重要視された。明治生命が売り出しだ最初の保険は終身保険(死んだら保険金がもらえる)であったが、「生死で金儲けをするのか!」という批判もあって事業はひろがらなかった。

 しかし、養老保険(満期がきたら死亡保険金と同額が支払われる)が売りに出されると、そのネーミング(満期金が豊かな老後資金になる)の妙と貯蓄性が受け、加入者が次第に増え、大正末期にはほとんどがこの養老保険であったそうだ。

 でも、戦前は保険そのものへの加入者が少なく、保険料支払いも年払い、半年払いであったため高額の保険料を支払えるのは限られた階層であった。つまり、保険に入れるのは旦那衆だった。生命保険は出発点から保険というより、お金持ちの貯蓄商品だったのだ。このDNAは脈々と今も引き継がれている。

 戦後のハイパーインフレなどの混乱期を経て、生命保険が大衆化するのは高度成長期になってからだ。保険会社が知恵を絞ったのは「高額の保険料→加入者が少ない→保険料がもっと高くなる」というサイクルからの脱却だ。保険料を安くして加入者を増やし、とにかく裾野を広げないことには保険業のうまみはない。そのために売りに出されたのが「定期付き養老保険」で、1970年代にはほとんどが後継の「定期付き終身保険」となる。

 この保険は掛け捨ての「定期保険」と「終身保険」が合体した保険だ。問題はそれぞれの保険の比率である。何のためにこの保険が生まれたのか、それは保険料を大幅に引き下げるためだ。だから、どんどん比率がいびつになり、1970年代には10倍、15倍という保険が主流となる。つまり定期保険と終身保険の比率が10:1、15:1となる。死亡した場合、定期保険から3,000万円、終身保険から300万円合計3,300万円の保険金が支払われる。「少ない保険料負担で多くの死亡保障」が受けて今も主力商品だ。

 こうなると「定期付き終身保険」ではなく「終身付き定期保険」だと思うが、あくまで終身保険であると言い張ることで、人を引き付ける狙いがあるようだ。何たって、日本人は貯蓄性のある保険が大好きなのだ。

 この保険、掛け捨て部分がほとんどで、保険会社が必ず支払わなくてはいけない終身部分が少ない。だから保険料は劇的に下がり、加入者も飛躍的に増加し、付加保険料という保険会社の儲けも大きくなった。高層ビルの本社、高額の賃金、ゴッホのひまわり、テレビを付ければ保険会社のCMばかりというのがバブル期までの保険業界だったのだ。

 この保険の問題点はほとんどが掛け捨ての定期保険であり、それを加入者が理解していない点だ。定期保険は10年ごとにほぼ保険料が倍に増額する。その理由は死亡率にあり、年代別の死亡者数が年を取るごとに増えるからだ。保険のヤジロベエで言えば、受け取る人が増えるので、保険金が増える。

 だから「定期付き終身保険」は60歳払い込み済みが多い。60歳までは定期保険、終身保険、医療などのてんこ盛りの特約などの保険料を毎月支払い、退職して経済力がなくなったら、定期保険や特約は無くなり、払い込んだ終身保険だけとなり、保険料支払いは無くなる。支払い能力と保険料が連動していて、ある意味うまくできた商品だ。

 若い時に会社に来る保険会社のおばちゃんに「死んだら4,000万よ。家族に感謝されるわよ。」と入った「定期付き終身保険」(定期保険3,500万円、終身保険500万円その他特約付き)。家に帰って得意そうに「俺が死んだら4,000万円はいるんだって。」と言うと平静を装いながらも何となく奥さんがうれしそうだった。でも、60歳以降に亡くなると、たとえ直後であっても、もらえる保険金は500万円のみ。「エッ!4,000万円でしょ。何十年も毎月保険料払ったのにこれだけ!」と奥さんが思うのも無理はない。感謝されるか恨まれるかはしらないが、「定期付き終身保険」とはそういうものだ。

 それでも、生命保険と貯蓄を連動した商品は手を替え品を替え、次々あらわれる。健康祝い金付き、アカウント型などなど。「毎月保険料支払うんだから、掛け捨ては絶対イヤ!」という消費者が多いからだ。掛け捨ての安い保険を紹介すると「安すぎて信用できない」と言われる。こんなありがたい日本の消費者が受け皿となり、貯蓄性を絡めた複雑怪奇な生命保険がまかり通る。

 バブル後、保険会社は景気のいいときに決めた予定利率を死守出来ず、経営を圧迫し破綻する会社も出た。何十年も人のお金を預かり運用するという保険会社のうまみが裏目に出た。これから出る貯蓄性商品は景気と連動し、保険会社の重荷にならない商品だろう。これでは消費者のメリットはなく、他の金融商品と比べあきらかに見劣りする。

 そろそろ生命保険は貯蓄と切り離し、シンプルでわかりやすい保険の原点にもどった方がいい。次回は生命保険の必要な3つパターンで紹介する。

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