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Home 相談員のコラム 相談員コラム…富裕層と相続税①

PostHeaderIcon 相談員コラム…富裕層と相続税①


 前回、書いたシェールオイルが日本(秋田)で見つかった。最大1億バーレルにもなるそうだ。原発の再稼働に揺れるこんな時に慶事だ。豊富で安価になるシェールオイルで効率のいい発電をして、次世代の自然エネルギー発電につなげよう。原発は絶対止められる。
 ということで今回は相続税のお話だ。相続税の改正が今国会で見送られた。しかし次国会で提出するそうで、消費税のように強い反対もないので早晩、相続税は上がるだろう。普通、税収を上げるというと税率を大幅に引き上げるが、今回は対象の裾野を広げる方針だ。今まで、死亡しても相続税を払う人は4%程度、つまり100人のうち4人しかいない。これを20%程度まで上げるという。

 具体的には基礎控除額(財産がこれ以下だったら相続税は払わなくて良い)を5000万円+法定相続人×1000万円から3000万円+法定相続人×600万円に引き下げという案である。奥さんと子供2人の家庭でお父さんが死んだ場合、控除額が8000万円から4800万円となる。これ以上、財産のある人はその金額に応じて、相続税を支払わなくてはならない。都会で自宅を持っている人など、今までギリギリ引っかからなかった人を、より一層、目を細かくした網でごっそりとすくう作戦だ。いよいよ相続税が身近な問題になる。

 お金のこととなると、つい近視眼的になりがちだ。私も恥ずかしいのだが、相続税に関してはFPで勉強した日本のことしか知らなかった。今まで日本の相続税というと4%というほんのひと握りの人の問題で「96%のほとんどの人が関わりのない」税だった。それゆえ、あまり関心もなかった。海外の事情も法人税や所得税のように税率が違う程度だろうと思っていた。

 ところが世界には相続税が無い国があるそうだ。それもタックスヘイブン(租税回避地)のように特殊な小国ではない。7月2日の朝日新聞の「立ちすくむ税金 逃げる富裕層」という記事によると、相続税を廃止した国はスウェーデン、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イタリア、スイス。もともとない国が中国、インド、タイ。英国は生前贈与を利用すれば実質相続税はかからない。世界地図を見れば驚く程多い。

 理由は経済のグローバル化で資産を海外に移すのが合法的に簡単になり、金持ちは専門家に頼んで、把握の難しい金融資産に変えたり、国籍を国外に移したりする。どうせ取れないのだったら、せめて逃げられないように相続税をなしにしようということらしい。アメリカではブッシュ政権のときに廃止されたが、現政権になって以前より低率で復活した。そのアメリカでは、金持ちは国外に資産を移して相続税から合法的に逃れているが、大都市に土地をもつような中産階級や小金持ちはそこまで徹底できないため、相続税は中産階級や小金持ちだけにかかる不公平な税金となっている。そのため「払いたい人だけが払う自発的税金」と揶揄されているという。

 相続税の増税法案が決まれば日本でも同じようになるだろう。ピラミッドの上の方=大金持ちの富裕層は外国に資産を移し、都会の家持ちや中小の事業者などの中間層だけが払うことになる。資産を国外に逃がした富裕層は寝た子を起こさないようだんまりを決め、国税庁も明らかな脱税でない限り言わない。そうすると相続税とは、国外に資産を移すなんて考えたこともない、まじめな物言わぬ納税者だけがせっせと払う税金ということになってしまう。

 ほかの国のように「相続税を上げると、どうせ金持ちは逃げてしまう」と追認して全部無税にするのか、それとも「格差がますます開かないように」富の再分配という国家機能を強化するために厳密化するのか、悩ましい問題だ。見過ごせないのは、専門家に頼める富裕層だけが得になり、それを知りながら「取れるところ=専門家に頼めない中間層からからだけ取る」徴税者だ。不公平な税金なんて誰も払いたくない。

 次回は同じ記事にあった「税のがれの洋上マンション」の話をとりあげ、もう少し相続税にツッコミを入れたい。


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