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Home 相談員のコラム 相談員コラム…老老相続と使われないお金

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 相続の話をしたので、最近気になる相続の話題。先週のアエラの特集でも取り上げられていた「老老相続」だ。介護も老老、相続も老老だ。

 日本の金融資産1500兆円(本当はすでに1400兆円に減ったとも言われている)のほとんどは高齢者のものだ。普通、高齢者は活動しない。よって収入に関しては不安なので自分のお金を使わずに貯め込む傾向がある。1970年代の平均寿命が70歳代の頃は、親が亡くなり40~50歳の子が相続するという姿が一般的だった。活動期の40~50歳の子世代は、相続したお金を住宅取得や教育資金やレジャーなどにどんどん使った。でも、寿命が延び、今や90歳代の親が亡くなり、65歳の子が相続するというのが普通の姿。こうなると、すでに家があり、子どもも巣立った65歳が相続しても、老後が不安で貯蓄するのが関の山。こうして、お金は高齢者の間を循環して、死に金となる。

 実感するのが、実際にあった相続の話だ。十年ほど前父親が死んで、相続人は妻とこども3人だった。法定相続なら、二分の一が妻で、子供達がそれぞれ6分の一ずつ相続する。しかし、父親は残された専業主婦の母親の為に、遺言で子供達に相続放棄をせまり、母親がすべてを相続した。サラリーマンだった父の財産は都内の小さな自宅と株や預金など数千万円ほどの金融資産だ。ちょうど子どもたちは自分の子供(孫世代)の教育費や住宅ローンが重くのしかかる時期で、しかも1人は離婚していた。喉から手が出るほどお金は欲しかったはずだが、父親の「母のため」という遺志を尊重した。

 その後、どうなったかというと、親子の格差の顕在化である。お金の心配のない80歳を超えた母は、もはや自分の健康や身の回りの事だけが関心事となり、テレビショッピングで高価な健康器具や健康食品をバンバン買い、別居している子供の家庭には思いをはせない。ある日「お父さんの為にりっぱなお墓を建てたい。」と思いつき夢中になる。子供達に相談しても色よい返事は返ってこない。子どもたちは日々の家計に四苦八苦。そんなときに「500万円のお墓を建てる。」と言われても、母親の提案をすんなりと認められるわけがない。一時が万事のこんな事が続き、次第に親子の気持ちは離れていった。

 そんな状態で、ついに90歳でお母さんが亡くなった。そのとき、子供さんの1人が「父親が亡くなったときに、少しでも遺産をもらっていれば、子供の為にもう少ししてやれたのに、今さらもらっても…。」と言っていたのが忘れられない。

 もちろん、お金のある高齢者ばかりではないし、親の遺産なんて“棚からぼた餅”で、もらえるだけありがたいけど、やはり困っているときのお金は値千金だ。“金は天下の回りもの”とは良く言ったもので、使って回ってこそ経済が活性化し“生き金”になる。老人から老人へお金が回っても、死蔵され世の中の為にならない。

 高齢化の影響で相続が世代間の資産の移転にうまく機能しないのだから、生前の贈与をもっとしやすくするしかない。特に経済的に恵まれない孫世代にお金が回るようにしたい。前にこのコラムに“仕送り”のことを書いたが、今の若い世代は本当にまずしい。

 高齢者の方には「お金はあの世に持っていけませんよ。それに死んでから感謝されたって分からないでしょ。生きてる内に『ありがとう』って言われた方が絶対いいですよ。」といいたい。もちろんキャッシュフロー表をつくって、今後自分が困らない計画を立てた上で、若い世代に生前贈与する。

 ただ、大金をボンと贈与するのは考え物だ。高齢者が子や孫にお金をあげるのも工夫が要る。一番よくないのは、家の頭金に何百万円も出してやること、のど元過ぎれば感謝を忘れる。もし500万円あげるなら、孫の学費でも塾代でもいいけど目的別にするか、来るたびに「良く来てくれたね。ハイ交通費だよ。」といって5万円を100回渡す。実際の交通費が1万円だったら、4万円がおこずかいになる。お金のない孫世代にはうれしいおこづかいだ。

 「お金目的みたいでイヤだ。」と言う人もいるが、数十円単位で切り詰めた生活をしている子供や孫たちは来たくても来る交通費がないこともある。来れば、電球交換や草取りや買い物など不便なことを頼むことも出来るし、一緒にご飯を食べたり、何より関係性ができたりする。年間110万円までは贈与税もかからないので税金の心配もない。お金が人を疎遠にすることもあるが、じょうずに使えば近づけるツールにもなる。身内だけでなく、広く社会に富を還元すると言う意味で、生きたお金の生前贈与は高齢者の知恵の見せ所だ。

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