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Home 相談員のコラム 相談員コラム…脱原発はいよいよ時期をめぐる攻防が始まった②

PostHeaderIcon 相談員コラム…脱原発はいよいよ時期をめぐる攻防が始まった②

 今週、南海トラフ地震での最悪の死者数が32万人になるだろうというニュースがあった。地震の危険は全然無くなっていない。この時期、原発の再稼働なんてとんでもない。特に浜岡原発は停止だけでなく、燃料棒もひきだして廃炉を進めてほしい。いまあそこで地震が起こったら、ひとたまりもない。しかし、歯がゆいことに、政治家の議論は周回遅れだ。

 今日(2012/09/02)の日経新聞によると、政府内の中長期エネルギー政策で将来の原発依存度は0%にするとして、早期ゼロ派(2030年)の古川や枝野に対し、前原や仙石は40年廃炉を徹底し2050年以降を主張して決着がつかないようだ。この寝ぼけた議論を見て思うのは「この面々の数十年先の約束の実現は限りなく0%だろうな」と言うことだ。「とりあえず脱原発を言わないと総選挙に勝てない。」ただそれだけだ。

 「原発の新規増設はもはや出来ず、いずれ原発は0%になる。」というのは大多数のコンセンサスだと思う。問題は今すぐ止める(再稼働させない)か将来止めるかだ。将来派は事故の危険と隣あわせの生活を続けてでも原発は止めないという。その表向きの理由は、電力不足と電気料金の高騰の二点だ。

 今夏の猛暑では、ほとんどの原発が無くても電力不足にはならなかったという壮大な実験(実績)によって「電力不足」の理由は消えた。もう一点、電気料金の高騰だが、これもかなり怪しい。確かに既存原発は膨大な建設費(一基約5000億円)が無く、運転するだけなら燃料費だけなので安価に発電は出来るだろう。政府が6月に出した試算でも、原発を0%にすると電気料金は倍増すると出た。

 しかし、8月23日の朝日新聞によると、科学技術振興会の戦略センターという研究機関が「政府の試算は家電の消費電力の将来予測などを踏まえておらず、非現実的だ」という見解を出したそうだ。きちんと省エネ技術に取り組めば、2030年には総電力量が現行の年1兆1千億キロワット時から8100億キロワット時に下がり、電気代の単価は上がるが、電気代は倍増どころか半減すると言う試算だ。

 震災前の「オール電化」のようにザバザバ電気を使う生活をすれば、確かに電気代は高騰する。だが震災後、生活の隅々まで節電や省エネが浸透した今の生活を進化させれば「電気料金の高騰」はないという事だ。

 数十年後に原発を止めるという将来派の表向きの2つの理由はもろくも崩れたが、彼らの本音はあくまで「原発の継続」だ。実際、いろんな国で事故のたびに「脱原発」政策に掲げても揺り戻しがあり、一気に原発を止めるに至っていない。将来派は死んだふりして「脱原発」といいながら、既存の原発設備や人員を確保しておけばいつか再起出来ると踏んでいるのだろう。隠れ原発推進派だ。

 そうした微妙な空気を読んで、産業界でもエネルギーの構造転換が進まない。少し前になるが、7月10日の日経新聞に「電力投資のパラドックス」という記事が載っていたので紹介する。

「資本主義の世界では需要ギャップが生じれば新規の投資が起こり、供給力が増大してギャップは解消に向かうはず。ところが、電力については太陽光などの固定買い取りの始まった一部再生電源を除き、供給増(ガスなど火力発電所の建設)の動きが鈍い。〈中略〉電力不足で社会全体が汗をかいているのに、なぜ投資が起こらないのか。いくつか要因はあるが、最大のものは原子力発電をめぐる不透明さだ。仮に原発が本格的に再稼働すれば、電力不足はあっけなく解消し、原発より運転費用の高い火力発電を新たにつくっても太刀打ちできない。」

 同じ理由で、製鉄会社なども新規の大型自家発電に二の足を踏んでいるそうだ。

 市場は様子見状態で、既存原発が明らかにエネルギー構造転換の足を引っ張っている。原発がある限り、建設費の安いガス火力発電ですらこんな状況で、ましてコストの高い自然エネルギーの普及は遅々として進まないだろう。本気で「脱原発」し、エネルギー構造転換をするには、このまま原発は再稼働せず、廃炉にするしかない。

 確かに痛みはあるが、腹をくくらなければ、新しい事は始められない。原発が使えないとなれば、いやでも地域分散型の小型ガス発電所や自然エネルギー発電が増え、企業でも家庭でも自家発電が進む。また今後、数十兆円とも言われる福島事故の後始末や数千億円とも言われる廃炉費用を考えると電気価格はもっと上がるかもしれないが、それが省エネ技術を推進させ新しい産業も生まれる。ずるずる未来のない原発を続けても私たちにいいことは1つもない。今すぐ、再稼働させた大飯原発も止め、すべての原発の廃炉作業を始めよう。


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