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Home 相談員のコラム 相談員コラム…年金の減額がいよいよ始まる

PostHeaderIcon 相談員コラム…年金の減額がいよいよ始まる


 解散のどさくさにまぎれて、11月16日に国会で、過去の特例措置で高齢者が本来より高く受け取っている公的年金(通称、もらいすぎた年金、累計9.6兆円)を、来年から3年かけて段階的に減額する改正国民年金法が可決成立した。新聞他ニュースも解散一色で、小さな扱いだったのであまり反応もない。

 年金は自分がいくら受けとれるかには関心はあるが、細かな話はわからないとみんな思っている。「マクロ経済スライド」なんて言われて、答えられる人は希有だ。私だってざっくりしかわからない。でも、年金のことはわからないからとほうって置くと、いいようにされてしまうので、本当に面倒な話だがお付き合い頂きたい。

 元々、年金は物価スライドと賃金スライドという指標で年金額を調整してきた。右上がりの時代は物価も賃金も上昇し、年金もどんどん上がった。しかし、少子化と高齢者の増加、保険料の未納問題で保険料の総額が減る見込みとなったので、2004年に導入されたのが「マクロ経済スライド」だ。賦課方式を続けるための込み入った制度だ。

 マクロ経済スライドによる年金調整率は「公的年金全体の被保険者数が減少した率(3年平均)」と「平均余命の伸びを勘案した一定率(0.3%)」の合計で年平均0.9%程になる。この調整率を上記の物価スライド(今は賃金スライドは発動していない)から引いた金額が年金の算定額となる。例えば物価が1%上がった場合でも、スライド調整率の0.9%ならば年金の上昇率は0.1%になる。逆に物価が下がった場合、スライド調整率は適応されず、物価や賃金の下落率がそのまま適応される。

 「何のこっちゃ?」と思われるだろう、簡単に言えば「今までは物価が上がれば年金も上がったけど、これからは年金財政が厳しいので簡単には上げませんよ。」というのが「マクロ経済スライド」だ。この法律は自民党時代の安部元首相の時に出来た。今やすっかり首相気取りで調子こいて「日銀に建設国債を全部買わせる。」というとんでもない金融政策を言っているあの人だ。

 何故か当時のニュースを良く覚えているのだが当時「年金制度を長期にわたり維持出来る仕掛けを仕込みました。」と胸を張っていた。ただ、この「マクロ経済スライド」は実際にその影響が出ていない。何故かと言うとこの制度はインフレ=物価上昇に対応する為のものだが、その後日本がずっとデフレだからだ。

 ただ、高齢者への選挙対策で本来なら2000年~2002年度に物価が下がっていたにも関わらず年金額を据え置きそのまま継続したので、本来もらうべき年金より多く支払われることになった。今回の改定はこの分を3年かけて減額するというものだ。

 今まで「年金減額」というのは高齢者に反感を買うので、選挙を怖れた政治家の心理的壁だった。物価連動ならまだいいが、今回の様な過去の優遇を取り消すための減額は始めてだ。しかし、これで政治家は「年金減額」の心理的壁を乗り越えたようだ。かくして2012年に国民年金が満額支給で月額6万5541円、それが3年後には6万3866円になる。厚生年金の標準家庭の場合、2012年に23万940円だった年金が3年後に22万5040円になる。

 そして、来月もし安倍政権になり、本当に国債を日銀に引き受けさせれば、国債は信用を失いインフレが始まるだろう。そうなれば、出てくるのは時限爆弾としてしこまれた「マクロ経済スライド」だ。インフレで物価が上昇しても、年金はほんの少ししか増えない。実質の減額だ。

 年金はいったん受け取り始めたら、増えることはあっても減らないと思っている人が今でも多いだろう。しかし、これからは減ることはあっても増えることはないだろう。年金減額がいよいよジワジワ始まった。年金の賦課方式を続ける限り、この下り坂は続く。

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