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Home 相談員のコラム 相談員コラム…相続の話── 長男道①

PostHeaderIcon 相談員コラム…相続の話── 長男道①


 相続の話で良くあるのが、長男とその他の兄弟間の対立だ。いま相続に関係する人は60代ぐらいの年頃で、被相続人の親世代は80代~90代だろう。60代はもちろん新民法下で生まれ育った。戦争を経験した親と、それに反発した世代であり、兄弟の数も多い。

 ご存じのように明治31年に旧民法が制定されて家制度が確立すると、原則長男が戸主となり、その家の統率権をもち、家督をすべて相続した。戦後1947年に日本国憲法の制定と同時に民法が大規模に改正され、この家督相続が廃止され、配偶者にもいかなる子供にも平等に相続権を持つことが規定された。

 新民法といってももうすでに65年も過ぎている。にもかかわらず、相続がもめる場面で出てくるのが、この「おれは長男だ」という発言と、その他の兄弟の「長男のくせに」という発言だ。

 数年前になるが、相続の事で相談された。本人は労働運動を長いことされた60代の方で、思想的にはリベラルだと思われた。しかし「自分は長男なので親の財産をすべて受け取るべきだ。他の兄弟にあきらめさせるにはどうしたらいいか。」というご相談だった。心の中では「エーッあんたが旧民法持ち出すか! 左翼の矜持はないのかよ。」と思ったがグッと飲み込んで「親御さんやご兄弟を説得する材料をお持ちですか?」と聞くと「小さい頃から親に長男の自覚をくり返し言われた。自分なりに親や兄弟のことを長男として考えてきた。墓も仏壇も自分が受け継ぐ。」と言われた。

 FPは弁護士ではないので、個別具体的な相談事は受けられないし、対処もできないが、聞くと家業を継いだわけでも、親と同居しているわけでもなく、兄弟に資金援助したわけでもない。仕方ないので新民法の概要と親の遺言、兄弟の遺留分などの話をした。こうした親族が認めない「気持ちだけ長男」や「ご都合主義長男」がいきなり相続の時に「俺は長男だ。」といい出すのだろう。親の長男に対するプレッシャーや呪縛は気の毒であったが、それを理由に相続を独り占めはできない。こんなケース、決して珍しくない。

 このような60代の「俺は長男だ。」発言を聞くと、あまりの内実のなさにあきれると共に「長男ってそんなもんじゃない。」と思う。もちろん封建制度の残滓たる家制度にも長男相続にも反対だ。だいたい家長が権力を持って、その他家族を支配するなんて時代錯誤もはなはだしい。しかし百歩譲って、もし長男面したいなら、みんなの面倒ちゃんとみてから物を言え、といいたくなる。

 それは私の父がまさに「長男道」まっしぐらの人で、身近にそれを見てきたからだ。そういう父に反発もしたし、未だにそのワンマンぶりにケンカが耐えない。しかし、91歳になっても、出る幕はないのに、それでも親族のあれこれに気をもむ父親が嫌いではない。次回はそんな父の「長男道」を紹介しつつ、相続について考えたい。


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