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Home 相談員のコラム 相談員コラム…老後の住み替えでしてはいけない事

PostHeaderIcon 相談員コラム…老後の住み替えでしてはいけない事


 少し前の日経新聞(2013年2月23日)に「住み替えで老後資金確保」という興味深い記事があった。何度もこのコラムに書いているとおり、私のお勧めでもある。
 住宅ローンを30年も抱えていると、老後資金を貯める家計の余裕はほとんど無い。そうなると、最終的に個人が持つ最も大きな財産はローンの終わった自宅になる。これを利用し、老後資金を増やし、豊かに暮らすのは理にかなっている。でも、残念ながら実践する人はまだまだ少数派だ。自宅でお金を稼ぐには売却、賃貸、リバースモーゲージなどいろんな方法が考えられるが、今回の記事は売却益に焦点を当てている。
 どれどれと読むと、とんでも無い事が書いてある。「地価の差活用」で以下の表がある。

 ●老後資金を得る9つの考え方 

  ①大→小…大きな住まいから、小さな住まいに

  ②近→遠…駅に近い場所から、駅から遠い場所に

  ③広→狭…広い住まいから狭い住まいに

  ④便利→不便…生活が便利な場所から、不便な場所に

  ⑤新→古…新しい住まいから、古い住まいに

  ⑥都心→郊外…都心から、郊外に

  ⑦都会→田舎…都会から、田舎に

  ⑧日本→海外…日本から、海外に

  ⑨個→シェア…マイホームから、シェアハウスに

 確かに不動産で売却益、しかも高い手数料払っても、まとまった老後資金を残そうとなると、かなり条件を下げるしかない。しかし、これは不動産屋の発想だ。しかも老後のことなんか全く考えていない若い人が考えたとしか思えない。 この中で使えるのは①大→小と③広→狭のみ。もともとローンを終えた物件は古いので⑤新→古はないし、⑦都会→田舎、⑧日本→海外はしたくてするのは良いがお金の為にすることではない。(前のコラム「老後の住まい─田舎ぐらしと海外移住」を読んでね)また⑨個→シェアはできればいいけど、シェアハウスそのものが若者向けで、オーナー同居はほとんどない状況だ。

 そして、絶対に老後の住み替えでしてはいけないのが、②近→遠、④便利→不便、⑥都心→郊外だ。老後の生活が今より駅が遠く、不便で、郊外になるということがどういうことなのか考えて欲しい。もちろん、現役時代とあまり変わらない60歳代は問題ない。運転もできるし、気力も体力もあり何より望んだ買い替えだから快適に過ごせるだろう。しかし、運転ができなくなり、体の不調が出てくる70歳代になると状況は暗転する。買い物は不便、病院は遠いでは老後生活は営めない。しかも、駅から遠く、不便な郊外の家は売るに売れず撤退もできない。

 記事の中に具体例として、59歳で東京のマンションを売って那須高原に移住し、売却益1500万円を獲得した話がある。那須で770平米の土地を500万円で買って、凝った設計、薪ストーブのこだわりの家を3000万円で建てた。本人いわく「望んで移住したので、買い物の不便さや除雪作業など大変なことも面白い。住環境はいいし自然は最高だ。しかし、思ったより燃料費やガソリン代で生活費は下がらない」そうだ。その上、「自然豊かな場所に憧れるシニア世代は都心からアクセスが良く、買い物や医療面で都会的暮らしができ、自然豊かな都会と田舎のいいとこ取りした『トカイナカ』に住み替えるのがお勧め。具体的には軽井沢や那須高原、熱海など」という専門家の意見も載っている。

 まったくいいかげんなことを! 私は那須に縁があり結構よく知っている。確かに素晴らしい自然だし、温泉も豊富で良いところだ。しかし、観光と移住は大違いだ。まず那須では車がないとまったく生活できない。雪は深くないが坂道が多く、自宅から除雪車が来る幹線道路まで除雪できなければ車を出せず孤立してしまう。車があって雪道を運転できて、除雪する体力があれば住めるが、できなくなれば一冬越すのもむずかしいだろう。「不便や除雪が面白い」なんていってずっと老後を過ごせる呑気な土地ではないのである。この方が車の運転や除雪ができなくなり、再度の移住を考えた時、こだわりの家の価値はなく、土地代のみでも売れるかどうかだ。

 「住み替えで老後資金確保」は決して悪くないアイデアだ。地価は東京が突出して高いので東京でマイホームを持っているなら、他の住みやすい土地に移住することで1千万円~3千万円ほどの老後資金を確保することもできる。しかし、移住先は長い老後が過ごせる所でなければならない。とにかく老後は長い。60歳代以降の老後生活の在り方や施設入居など考えて移住計画を練らないととんでもない事になる。

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