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Home 相談員のコラム 相談員コラム…婚外子の相続差別に決着つくか?

PostHeaderIcon 相談員コラム…婚外子の相続差別に決着つくか?


 前に「相談員コラム 事実婚は損か得か④」で婚外子の民法上の相続差別(相続が婚内子の半分)について書いたが、これに大きな動きがあったので取り上げたい。


 先週の新聞(7月10日)に「婚外子 相続差別違憲判断か」という記事が載った。しかも、一面トップ記事だ。その後各紙は「社説」で「生まれ落ちての差別はあってはならない。子は平等に」という主張をしている。最終的に秋の判決を待たなくてはならないが、「憲法違反」とされれば、115年前の明治31年の施行から続く民法の規定は違憲となり、改正が迫られることになる。

 婚外子の差別規定について、日本政府は国連の人権機関から「すべての子供は出生によって差別されない権利を持つ」と、何度も是正を勧告されてきたが改定されていない。欧米ではキリスト教の規範で結婚が神聖化され「私生児差別」がひどかったが、1960年代以降、人権問題として相続の平等化に動きだし、日本と同様の規定のあったドイツやフランスなどは法改正し、先進国で婚外子の差別規定が残っているのは日本だけという状況だ。

 婦人参政権が認められたからと言って女性差別がなくなるわけでもなく、アパルトヘイトがなくなれば、黒人差別がなくなる訳ではない。確かに現実はすべての子供が社会的経済的に平等に生まれる訳ではないし、法改正がなったとしても、婚外子差別だって簡単になくならないかもしれない。しかし、法が差別を助長することは絶対あってはならない。

 今回の裁判で問われているのは「結婚制度」だ。両親が結婚していても結婚していなくても子どもは平等だという意識が広がれば、結婚する意義も薄れる。この民法を作った明治の為政者は、本妻さんと二号さん(昔は愛人をこう言った)を想定していた。しかし、今や結婚しないで子供を産むのは、私のような事実婚の夫婦、未婚の母、離別・死別後再婚していない母など様々なケースだ。

 ただ、日本ではそうして子供を産む人はまだ少数派で、婚外子は全体の2.1%しかない。だが、差別的法律を改正して30年以上たつヨーロッパ諸国では、婚外子の割合が急激に増え、婚外子の出生率割合がスウェーデン54.7%、フランス52.6%、英国43.7%、アメリカ40.6%であり、全体の出生率も上がっている。(2008年調べ)

 
ほんの数十年で何故ここまで変わったのか? 何より、今の結婚制度があまりに窮屈で硬直化し、自由を求める人たちに受け入れがたく、魅力的でないことが根底にある。だから、結婚制度を受け入れるか、受け入れても離婚するか、結婚しないで未婚や非婚を貫くか、法的結婚制度によらないカップルとなるか、多様な選択が可能になり、社会に受け入れられているようになった変化は大きい。

 保守派がどんなに美しい家族像を訴え、その家庭崩壊を嘆こうとも「婚外子の増加=結婚の衰退」は世界的兆候であり、先進国で子供が増える唯一の道なのだ。もちろん欧米では、フランスのパクス婚(連帯市民協約)のような緩やかな男女の結びつきに法的保護や社会的信用が与えられているし、子どもに手厚い公的支援があり、そうした相乗効果で出生率が向上している。

 日本も今回の裁判を契機に、結婚しないまま子供を産むことが社会的に認知され「子供の福祉」を最優先する社会になってほしい。そうすれば出生率を回復させた国々と同じように自然と子供は増えるだろう。どんな子供も等しく社会に望まれて生まれるべきなのだ。

※前の記事は左の「相談員のコラム」で読めます。