イラスト:鈴木ハルナ


オンリーワン同好会

相談員長野が運営委員として参加するオンリーワン同好会(ボードゲーム、ソリティア)です。 よかったらのぞいてください。

Amazon販売サイト

Amazonでボードゲーム“ソリティア”を販売しています。

YAHOO! ショッピング シグネット制作部

YAHOO! ショッピングでボードゲーム“ソリティア”を販売しています。

老後の住まい

画像をクリックするとアマゾンの紹介ページへ飛びます。

中高年のダイエット

画像をクリックするとアマゾンの紹介ページへ飛びます。


Home 相談員のコラム 相談員コラム…高齢者を食い物にする「紹介ビジネス」

PostHeaderIcon 相談員コラム…高齢者を食い物にする「紹介ビジネス」


 前に「無料相談」というコラムを書いた。そこで紹介したのは「老人ホーム」を紹介する業者の存在だ。役所の窓口などに「無料相談」のパンフレットを置いて、施設紹介、面談、同行などして入所が決まると、有料老人ホームから平均30万円~40万円、多い場合は100万円の紹介料が支払われる。もちろんこのお金は利用者に何らかの形で転嫁される。これも高齢者を食い物にするひどい紹介ビジネスだと思ったが、もっとダークなのが出てきた。それが「高齢者施設の患者紹介ビジネス」だ。


 よく高齢者施設のパンフレットに「医療機関と提携」といううたい文句が載っている。老後の安心材料のひとつでポイントは高い。もちろん建前としては、その医療を“受ける” “受けない”の自由はあるだろうし、保険証をもって施設の外の病院に行くことは可能だ。しかし、外の病院にかかるには、交通手段や付き添いが必要となる。施設に定期的に来てくれて検診したり、薬を処方してもらったり、専門病院に紹介状を書いてもらったりするお医者さんは便利なので、できたらうまくやりたいと思う。だから、ほとんどの人がそのまま施設で紹介された医療機関を「かかりつけ医」とする。


 そのシステムをうまく使ってビジネスにしたのが「高齢者施設の患者紹介業」だ(2013年8月25日朝日新聞)。高齢者で病院と縁のない人はめずらしい。特に自立型の有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅の高齢者は、高血圧や糖尿病などの成人病、ひざや腰などの痛みなど重篤ではない持病を持っているけど元気な人がほとんどだ。紹介業者はこうした高齢者をまとめて、開業医に訪問診療を依頼し紹介料を得る。その上、老人ホームが業者からピンはねしたり、直接医者から紹介料を取ったりするケースもあるようだ(2013年9月7日日経新聞)。


 問題はこの紹介料だ。前回紹介した「老人ホームへの紹介ビジネス」の場合、相談や紹介、施設への同行など実際に紹介業者が動き、紹介料も高額ではあったが一度きりだった。しかしこの「患者紹介ビジネス」の紹介料の相場は患者一人当たり診療報酬の2割という暴利だ。

診療報酬の内訳は、通院困難な患者が住む自宅や施設に定期的に出向く訪問診療料が一回8,300円。これに処方箋料や検査代などが上乗せされ、医者が受け取る金額は月に二回の訪問で月額6万円を超すそうだ。そのうち2割の12,000円が医者から何もしない紹介業者や施設に毎月支払われる。たぶん、その高齢者が死ぬまでの何年か何十年かずっと続く。

朝日新聞によると、コンサルタントフィー(横文字にすれば罪が軽くなる気がするのかな)として毎月一人1万5750円の固定費にしたり、紹介者が20人を超えると効率よく診察報酬を受けとれるからと一人当たりの紹介料が2万円になったりする業者もあるそうだ。

もちろん、高齢者医療に真剣に取り組む医者は多いし、24時間体制で自宅に往診してくれる診療報酬が8,300円なのもうなずける。しかし、外来だけでは経営が苦しいからと、効率よく稼げる施設の高齢者を業者に紹介してもらって、ずっと紹介料を払い続ける医者のモラルは問われなくてはならない。

往々にして業者に紹介料を払うため、効率を優先し、過剰医療になりがちだ。重篤な患者は大病院に送り、持病や風邪や不調には求められるままにどんどん薬を出し、心配を口にすれば必要のない検査も行い、それでも何か言われれば「加齢ですね。」という。こんな医者に誰が見てほしいと思うだろう。

もし保育園や幼稚園、学校で同じことをしたら、たとえ民間でも大問題だ。どの園や学校にも、園医さんや校医さんがいる。子供を預かる側がその医者への受診を勧め、見返りに園や学校にそのつど医者から紹介料として受診料の2割が渡されるなんて考えられない。それは保育園や学校、医者にモラルがあるとみんな信じているからだ。

 それなのに高齢者施設では公然と業者による「患者紹介ビジネス」が行われている。問題は紹介料のために上乗せされる診療報酬を誰が払うのかということだ。高齢者の自己負担は1割(高収入の場合は3割)なので、9割は健康保険でまかなわれる。健康保険の医療費が毎年一兆円ずつ増えるからと、4月から消費税も8%になる。保険料も消費税もみんな私たちが払うのだ。

高齢者の自己負担は1割なので、よほど高額でなければ、本人も家族も問題にしないし、囲い込まれれば多少不満はあっても施設や医者には逆らわない。こうした弱みに付け込んで保険料を掠め取る業者や施設は許せない。厚労省も規制を検討しているようだが、さっさとして欲しい。でも規制なんかなくても、医者とくに保険医に最低のモラルさえあれば起こり得ない事態だ。高齢者を馬鹿にするな!

※前の記事は左の「相談員のコラム」で読めます。