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Home 相談員のコラム 相談員コラム…年金のこれからと繰り上げ受給について

PostHeaderIcon 相談員コラム…年金のこれからと繰り上げ受給について


 前回は、年金の減額(3年間で2.5%)についてだった。これは一時的なものだが、今後の年金の行く末はどうなるか? まず、年金は保険料と税金で成り立っている。保険料は20~60歳の現役世代が支払う。ご存じのように現役世代は減り、受給者は増えている。一方、国の財政も厳しい状況だ。

 24日に政府が発表した来年度の予算案は95.9兆円。うち年金や医療など社会保障費が30.5兆円となった。公共事業5.9兆円、文教関連5.4兆円、防衛関連4.9兆円と比べても、べらぼうに高い。しかも、その支出をまかなう収入の内訳は、税収50兆円、そして新規国債が41.3兆円、その他収入4.6兆円。来年度の国債費(借金の支払い)が23兆円もあるのに、新たな借金を41.3兆円もするのだ。今の超低金利(10年国債0.6%)でも、借金の支払いが23兆円もあるのに、金利が上がったらどうなるのだろう。税収がすべて借金の返済になるのではと心配になる。

 
こんな状況では年金だけバラ色の未来というわけにはいかない。年金が無くなることはないけど、抑制傾向はかなり強まるだろう。私も2011年にこの相談員コラムで「ああ年金」というタイトルで年金改革の提案を書いた。残念ながら年金の抜本改革の機運は自民党政権になって急速になくなり、いびつなまま現行制度の抑制政策だけが強くなっている。抑制の3つの柱は

①     保険料の値上げ
②     支給開始年齢の引き上げ
③     マクロ経済スライド制の実行

である。①と②は理解できるがよくわからないのが③である。簡単に説明すると、年金は物価と連動する物価スライド制が取られているが、インフレで物価が上がると税負担がふえるので、完全自動物価スライド制でなく税負担を抑える制度にするという。具体的には3つのパターンで(1)物価が上がった率から「0.9」を引いた分だけしか年金額を上げない、(2)物価上昇率から「0.9」を引くとマイナスになる場合は年金額を据え置く、(3)物価が下落した場合は、そこから「0.9」を引くのではなく、物価下落分だけ年金額を引き下げる。つまりインフレになって物価が上がっても簡単に年金は上げないが、デフレになったらそのまま下げる制度だ。何で0.9なのかわからないが、抑制効果が少なければ、この数字も簡単にいじられるだろう。

 こ
の抑制策のポイントは①と②は現役世代の負担で③のみが年金受給世代の負担となることだ。実行の順番も多分この順番になるだろう。年金をもらっていない人とすでにもらっている人との扱いの差は大きい。現役世代にとって老後は不安があっても遠い彼方の問題だが、隔月で年金が振り込まれる世代には数千円の減額がリアルに響く。しかも、年寄りは数が多く、選挙にも行く。だから、今まで③はなかなか手がつけられなかったが、いよいよ実行に移す。なので、よくわからないよう目立たないような制度にしてあるのではと勘ぐっている。「マクロ経済スライド制」は、決定した2004年(第一次安倍内閣)時に「年金の時限爆弾」といわれたそうだが、いよいよコチコチ、音が聞こえてきた気分だ。

 
さて、こんな状況で最近問い合わせが多い「年金の繰り上げ受給」はどうかということを考えてみよう。年金開始年齢が25年かけて徐々に上がり、利用者も急増している。簡単に概要を説明する。国民年金の老齢基礎年金は、65歳から受給を開始するのが基本だ。でも、本人が希望し申請すれば受給開始を1カ月単位で60歳まで繰り上げることや、70歳まで繰り下げることができる。ただし繰り上げ受給を選択すると、65歳から受け取り始める年金額に比べ、受給金額は、1ヶ月早くなるごとに0.5%ずつ減額され、繰り下げ受給を選んだ場合には1ヶ月遅くなるごとに増額率は0.7%ずつ高くなる。

 
仮に年金が78万円の場合60歳から繰り上げ受給すると、30%(0.5%×60ヶ月)の減額で54.6万円となる。しかも、いったん繰り上げ受給すると変更できず、減額されたままの金額が一生涯続く。だいたい、75~76歳ぐらいで受給総額が逆転するので、長生きするほど総額は少なくなる。現在60歳時の平均余命は男性で83歳、女性は89歳なので、平均寿命まで生存するとした場合、60歳に繰り上げ受給をすると、65歳からの受給開始に比べ、受給総額が男性で148万円、女性で289万円も少なくなる計算になる。その分、支給する側の負担は減るので、ある意味、本人が決めた不平の出にくい年金減額策だ。

 さすがに「繰り上げしても65歳から年金が増えると思っていたのに」というとんでもない勘違いは少なくなったが、理屈はわかっても、背に腹は代えられないので「繰り上げ受給」者は本当に多い。今や4人に1人の割合だ(繰り下げはほんの数パーセント)。退職したものの、定期収入がなくなり、預金がどんどん減っていくと不安になってしまうようだ。キャッシュフロー表を作り細かく検討した方がいいが、15年後の損より、目先の数万円が本当に必要な人には反対はしない。それに、先に述べた通り、年金の抑制策は現役世代よりすでに年金を受給している既得権者の方が手厚いので、早く年金を受給して既得権者になった方が良いのかもしれない。

 
ただ、繰り上げ受給をするともう65歳に到達したものとみなされ「障害基礎年金」「寡婦年金」がもらえなくなり、「遺族厚生年金」でも不利になるのでデメリットも注意して欲しい。年金問題は面倒だけど、大事なので来年も時々取り上げたい。

 
今年もいよいよあと数日となった。今年もこのコラムを読んでいただいてありがとうございます。ただ閲覧記録のデータを見ると「社員猫の部屋」の方が評判が良く、どちらも私が書いているのだが、負けた感がある。来年こそ負けないぞ、ノンクリ!


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