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Home 相談員のコラム 相談員コラム…年頭に介護を考える②

PostHeaderIcon 相談員コラム…年頭に介護を考える②

 一昔前なら、介護も超プライベート問題でズケズケ話せなかったけど、私のような年(57歳)になると、友達もみんな多かれ少なかれ親の介護を抱えていて、最初は遠慮がちに話してたけど、「なあんだ、みんな同じだね。」というので、最近では親の介護話で盛り上がる。お互い介護がいかに大変かと言い合うのだが、どうも私の「遠距離介護」なんて、認知症の親と同居介護している友人から比べたら、介護社会の「ひよっこ」のようなものらしい。

 
それでも親の介護にディープに関わるようになると、介護する側の事情も介護される側の考えることも少しはわかるようになる。そんな中で最近思うのは、介護も悪い事ばっかりじゃないなと言うことだ。きっと親が若くしてぽっくり死んでいたら、自分自身が経験するまでは「老後」というものがわからない事だらけで、不安いっぱいで暮らしていくことになったと思う。前人未踏の長寿社会をどう生きるかを、先に行く親に教えてもらっているようだ。

 介護をしていてひとつ利口になった事がある。それは「老い」というのが、頭でなく実感としてわかったことだ。個人差はあるが、人は一気に年取るのでなく、何年もかけて徐々に老いる。最初は身の回りのことが面倒になり、家事や身繕いなどいろんな事をしなくなる。意欲が低下して、趣味や友達づきあいをしなくなり、表情が乏しくなり、あまり笑わなくなる。そのうち食事も適当になり、好きなものしか食べないので、緩慢な栄養失調状態となる。体は機能低下しているので、意欲低下と栄養失調で動かなくなると、足腰の筋力がなくなり歩けなくなってしまう。動けなければトイレにもいけなくなる。こうしてにっちもさっちもいかなくなってからの介護が多い。

 
こうした変化は自分ではわからないし、認めたくない。だから、まわりに「もう介護(外部の助け)が必要だよ。」とズケズケとものを言う人が居るか居ないかで、老後もずいぶん違ったものになると思う。適度な外部からの刺激と、栄養状態の改善、リハビリなどの機能訓練をすれば「老化」の坂道はかなり緩やかになる。たぶん、自分も同じ道をたどるだろうが、知っている道を行くのと、道を知らないのでは雲泥の差だなあとつくづく思う。介護始めて良かったことの第一だ。

 
もう一つ気づいたことがある。それは自分の老いのイメージの貧困さだ。つい「お若いですね」と年寄りへリップサービスしてしまうが、それをほめ言葉と思う自分の老いへのマイナスイメージはかなり根深い。

 
確かに「老い」というのはできる事ややりたいことがだんだん少なくなる。それはある意味、生きることの純化ともいえる。食べる、排泄する、寝る、という事がメインの生活など若いころは想像できなかったが、実際目の前にすると、そんな生活の中にも快不快、喜怒哀楽、生きる楽しさが確かにある。しかも、自分自身もまわりも幸せのハードルはかなり低くなるようだ。

 
母が元気な頃は、車椅子の年寄りはみんなただの「きのどくな年寄り」だった。それなのに母が入院して寝たきり状態の頃、ホールに車椅子で集まりおやつを食べる他の入居者の人たちを見て心底「うらやましい」と思った。数ヶ月経て、母もその仲間に入ることができ、機嫌良くゼリーを食べるのを見て本当にうれしい。

 
認知症が進んで、記憶力は衰えたが「富士山がきれいだ。」と何度も教えてくれる。私も見慣れた富士山がきれいに見えるから不思議だ。先日も母の病院に行った兄から「母さん、もみじまんじゅう食べててびっくりした。」と弾んだ声の電話をもらった。もうすぐ、60歳にもなる兄妹がもみじまんじゅうで喜びあうなど、介護しなかったらわからなかった世界だ。だから最近はこんな些細なことで幸せを感じられるなら、老いるのも悪くないなあと思う。

 遠距離介護はお金もかかるし、体力も気力もいる。人からは「介護できれい事を言っていられるのも、一年だよ。」とも言われる。この後いつまで続くのか、どうなるかは私もわからない。でもこんなちょっとした楽しみがあれば続けられそうだ。ほんと介護って悪い事ばかりじゃない。

 次回はあまりにお祭り騒ぎの「ニーサ」です。

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