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Home 相談員のコラム 相談員コラム…介護を考える④──施設入居時期の見極め 最後

PostHeaderIcon 相談員コラム…介護を考える④──施設入居時期の見極め 最後

 このコラムを書いている頃、朝日新聞の投書欄に「老いた親の居場所確保できれば」(2014.4.17)という記事が載った。内容は「85歳でひとり暮らしをしていた母親が『不安で寂しいから』と有料老人ホームへの入居を望んだ。自らホームも見学し、費用も準備したのに、世話をしていた親族が同意せず、結局93歳まで独居し、脳梗塞で寂しくなくなった。もっと、早くに子供たちで母の希望をきけば良かった」という娘さんからの後悔の投書であった。こうなるとホームへの入居を拒む子供は抵抗勢力である。

 介護保険が始まり、親を施設に預けることへのハードルはかなり下がったと思っていたが、「親を施設に預けるのはうしろめたい」という子供は依然多いようだ。施設入居には保証人(複数)が必要で、子供がいれば子供の同意がないと入居は事実上できない。子供のいない人は世間から「老後どうするの!」と脅されるが、子供がいても自分が望む老後を手に入れるには、子供に同意してもらわねばならない。

 
施設入居時期の見極めは本人の意志と同じく、子供たちの思惑(世間に対して後ろめたい。財産が減るのが嫌など)が絡む。子供のいる人は「子供は自分の意志を最優先にしてくれる」という幻想を抱きがちだが、子供がすんなり親の要望を聞き入れるようにするにはかなり周到な準備がいると心得るべきだろう。

 
前述の「遅すぎた介護」で言ったが、介護を遅らせる要因は

1.  本人が介護を受け入れる覚悟がない

2.  覚悟がないゆえに情報がない

3.  子供が非協力(世間体、相続分が減る)

4.  介護費用の問題

5.  決断の先送り 

がある。ただ、上記の逆の

1)       介護を受ける覚悟を持ち

2)       自分でアンテナを張って情報を集め

3)       子供やまわりの人に自分の意志を伝え協力を求め

4)       介護費用のメドを立て

5)       必要な時に適正な介護を受ける決断ができる

そんな立派な高齢者に自分がなれるかというとまったく自信がない。特に5)の判断は認知症にでもなったらむずかしいだろう。私がもし認知症にならなくても、もともと優柔不断なところがあるし、高齢になれば判断力も衰えるだろうから、いざとなるとグズグズジタバタしてしまう気がする。そんなとき「もう無理だから」と背中を押してくれるようまわりの人(つれあいや子供、友人)に頼んで置くしかない。

 話は変わって「早すぎた介護」のS子さんのその後のお話。S子さん、友人のY美さん、私の3人で今後のS子さんの具体的生活を話し合った。そこで、S子さんは、前に住んでいたマンションは賃貸に出していたのでそのままにし、土地勘のある同じ地区のもう少し駅寄りで、かかりつけ医に歩いて行ける便利なところに小さな住まいを借りた。もちろん賃料は貸しているマンションより若干少ない。

 そこで、少なくなったとはいえ退職金をメインにかなりある預金の運用を勧めた。具体的には「Jリート」(分散投資で5銘柄)だ。2011年当時は平均利回り6%(税抜き)あり、1000万円の投資で年間約60万円、月々5万円。このお金を「安心」のために使うことにした。非常ボタンで駆けつけてくれるセコムのホームセキュリティ。毎日届けてくれるおいしい宅配弁当。週1回のお掃除サービスなど。今のサービス付き高齢者住宅ぐらいの安心はひとり暮らしでも充分手に入れられる。

 S子さんはいろんな「支え」を積極的に取り入れ、今も気ままなひとり暮らしを続けている。もちろん、本格的に介護が必要になったら、迷わず施設に入るつもりのようだ。今の住居は賃貸なので、身軽に転居できる。費用の面でも、年金の他に、旧自宅の賃料、Jリートの分配金が入ってくるので、一時金のいらないタイプの有料老人ホームでも充分対応できる。だから前のように、もしその施設がどうしても自分に合わなかったら、他にも移れる。そう考えればいくつになってもやり直しはできるし「終の棲家」と気負うこともない。問題は自分が自由に動き回れなくなったとき、マネージメントしてくれる人だ。それは身元引き受けをしてくれるNPOにお願いすることにし、自分の今の意志を書面にして契約した。

 
今の社会は保証人社会で、特に高齢者は万が一のこともあるので、病院も介護施設も必ず保証人を求められる。そのためにサポーターを数人選んでおく。あまり多いと意見の集約が大変だし、ひとりでは荷が重いしチェックが効かない。2~3人が良いだろう。

 
子供や親族、信頼の置ける友人がいいが、適任がいなければ上記のようなNPOや役所に相談すれば受け皿はある。心配なら任意後見人になってもらう事も可能だが、前段として「何かあったら保証人になってね。」からお願いしたらどうだろう。もちろん、お願いをするのだから、実費とお礼を準備しよう。老後はいろんな支援を受けてギリギリまで自立し、最終局面では施設にせよ自宅にせよ、最期は人に任せる覚悟が必要だと思う。

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