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Home 相談員のコラム 相談員コラム…介護を考える⑤──リアル介護

PostHeaderIcon 相談員コラム…介護を考える⑤──リアル介護


 それでなくてもコラムの更新が遅れがちでしかられているのに、ずいぶん間があいてしまい申し訳ありません。勘のいい方はお気づきかもしれないが「リアル介護」に忙殺され動き回っていました。「施設入居時期の見極め」なんて書きながら、まさに数日前、父が「有料老人ホーム」に入所したのだ。

 
元気な93歳だった父が数ヶ月前に突然「腸閉塞」を起こし、それ以来、入退院を繰り返した。療養型病院に入っている要介護3の母も、毎日来ていた夫が急に来なくなり日記に「今日も誰も来ない。寂しい」「家族に何かあったのではないか、心配だ。」と書き不安がる。母は15分前のご飯の事すらわからないが、家族の急変にはなぜか敏感だ。というわけで毎週末のように遠距離介護の日々であった。

 感じ悪いくらい元気自慢だった父なので、この期に及んでも「ひとり暮らしはもう無理」という現実を受け入れず、私たちが説得しても調子の悪いときは「そうだな」というものの、ちょっと持ち直すと「まだ大丈夫」となかなか強情であった。兄夫婦も私たちも離れて暮らしているので、具合が悪くなると近くに住む甥夫婦(私たちから見ると従兄弟夫婦)に病院に連れて行ってもらい、私たちが駆けつけるということを何度も繰り返し、とうとう父も「ひとり暮らしは限界」という事実を「仕方ない」と受け入れるようになった。

 ただ、現実的に「じゃあどうする」というと、なかなかの難問であった。兄夫婦も私たちも現役で働いていて、ほぼ寝たきりの母親の同居介護は現実的に無理だ。選択肢としては①私たち(東京)と父が同居して、母を近くに施設に預ける。②兄夫婦(伊豆)と父が同居して、母を近くに施設に預ける。③私もしくは兄の近くに夫婦で入居できる施設を探す。ということになり「父の気が変わらないうちに」と手分けしてさがした。

 父との同居は、どうしても昼間ひとりにせざるを得ず不安は残るし、今までのように母と頻繁に会えなくなる。夫婦での施設入居だが、父は病気がちだが介護度でいえば「自立」で、母は「要介護3」なので夫婦とはいえ介護度が違うとなかなか同じ施設というのはむずかしい。選択肢はほぼ「有料老人ホーム」しかないが「腸閉塞」という爆弾を抱えているとなかなか入居できるところがなかった。そんな中、介護のプロである兄のつれあいのよく知る近くの「有料老人ホーム」が引き受けてくれることになり急遽入所が決まり、父が先に入所した次第だ。

 その「有料老人ホーム」は、小さいながら手厚い介護をしてくれると定評があるそうだ。私とつれあいは、父が入所した翌日に初めて行った。ちょっと不安になりながら車で細い山道をくねくねと登ると、かわいい建物がみえてくる。決して豪華なつくりではないし、入居者も19人とこぢんまりしている。しかし、今まで老人ホームや老健センター、療養型老人病院などいろんな所を見てきたが、明らかに雰囲気が違う。なんと玄関にソファがあって入居者が雑談しているし、足下にゲージがあって覗くとネコがいる。建物の中に入ると、ホールでは小さな犬がウロウロしていて、呼ぶとコロコロとしっぽをふり愛想良く近寄って来る。至る所に絵や置物が置いてあり雑然としている。要するに「生活感」が一杯なのだ。

 父の部屋は二階の南側の角部屋で、夫婦部屋なのでかなり広い。戸に大きな文字で名前が書いてあり、部屋の中にはメッセージが貼ってあり、ウエルカム感満載、日当たりも風通しもとてもいい。窓からは緑濃い伊豆の山並みが美しく、廊下の突き当たりから富士山が大きく見える。部屋には2台のベッドと洗面台あり、兄たちがすでに冷蔵庫やテーブルと椅子、衣装ダンスなどを準備していた。私たちはそこに実家で使って居た大きなテレビとハードディスクレコーダー、パソコン、プリンタを持ち込みつれあいがセッティングした。テレビっ子の父は喜んで上機嫌だ。

 今日は兄のつれあいが休みを取って、父を近くの総合病院に連れて行ってくれた。母も入所して両親がこの環境になじんでくれればいうことはない。親が90余年過ごした故郷を離れる寂寥感は大きいと思うし、すまない気持ちもあるが何よりこの「安心」には代えがたい。

 
FP的に言うと、一時金も月々の経費もとても良心的な価格だが、二人ともなるとかなりかかる。早速、10年間のキャッシュフロー表をつくったが、かなり厳しくみな青くなっている。しかし、財産を処分すればどうにかなるだろう。いよいよ私の遠距離介護も最終コースだ。


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