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Home 相談員のコラム 相談員コラム… 老後は都会で⑦ ちょっとお得なお話

PostHeaderIcon 相談員コラム… 老後は都会で⑦ ちょっとお得なお話


 先日読んだ本の紹介文に「
老いるとは自由に『移動』する手段と方法を徐々に失っていくこと」という一節があった。移動というのは歩くなど身体的な意味だけでなく、社会的、経済的なものも含む。極端な話、お金さえあれば寝たきりになっても介護タクシーで何処にでも行ける。でも何処でもタクシーにバンバン乗れる高齢者は都会でもまれで、ほとんどは少ない年金でやりくりしているので交通費が気になって外出を控えがちだ。しかし、東京には「シルバーパス」という画期的システムがある。まずはこのお得なお話から始めよう。

 「東京シルバーパス」は1970年代、美濃部革新都政が始めた高齢者福祉事業で、もう40年以上の歴史がある。こうした事業を実施しているところは市町村レベルでは全国にパラパラあるが、都道府県レベルで広域に実施しているのは東京都のみである。

 
70歳以上の都民の希望者に、都営交通(都バス、都営地下鉄、都電、日暮里・舎人ライナー)と都内の民営バスにタダで乗車できる「東京都シルバーパス」を発行する。以前は無料だったが、今は一定の利用者負担もうけている。若干の経過措置はあるが基本的に年間負担額は以下の通りである。
1)住民税が課税の方  20,510
2)住民税が非課税の方  1,000

 つまり、収入が年金だけだった場合、約155万円(
65歳以上の場合、地域差あり)以下なら非課税になる。自営業者や厚生年金が少ない場合、月額約13万円以下の年金だったらシルバーパスが1,000円で使える。よく聞くのが会社勤めだった夫は年間20,510円、妻は年金が少ないので1,000円というケースだ。

 実際の利用者は約81万人、70歳以上の人口が約200万人ほどなので、動ける高齢者の半分ぐらいが持っている。すごい数である。ちなみに
都は都の交通局と民間バス会社へ約160億円の利用代金を毎年支払っている。

 もちろん、都議会でも高齢者優遇、ばらまき福祉と批判され廃止を議論されたりもするが、私はこの施策なかなか優れものだと思っている。高齢者は基本的に空いている時間を利用するので働く人の邪魔にならないし、赤字になりがちな基幹システムを下支えしている。また、交通費を気にして外出しない高齢者が外出することで消費による経済効果も生まれ、本人の心身の健康にもプラスになり、結果的に医療費や介護費用の抑制につながる。費用対効果を考えたら、新銀行やオリンピックよりよほどいい事業だ。

 実際、この事業のおかげで昼間のバスに乗ると高齢者が
本当に多い。病院通いや買い物など用事のお出かけだけでなく、明らかに友達と遊びに行く人も見かける。タダなら気軽に出かけられる。交通網も網の目のようにあり、バスと都営交通を乗り継げば都内何処にでもいける。バスは時間が読めないけど、時間に自由がある高齢者は時間かかっても乗り継ぎ乗り継ぎで出かける。最近では「シルバーパスでゆうゆう都内散歩」とか「シルバーパスで東京見物」なんてガイド本も出ているようで、確かに昼の都内の活性化に一役買っている。

 実家は静岡県のとある町なのだが、静岡市に行くのにバスで1時間、1,360円(片道)かかる。別に過疎地ではないのだが、大きな総合病院やJR
の駅、デパートなど商業施設、映画館などは地元にはなく静岡に出かけるしかない。でも、交通費が高いので、よほどの用事がなければ滅多に行かない。だから昼間のバスはガラガラで大型バスに23人しか乗っていないし、高齢者が日常的に静岡に行くなんて考えられない。地元の人に東京の「シルバーパス」の話をすると「嘘でしょ! そんなのあったら毎日静岡に遊びに行っちゃう」と言っていた。そう考えると、東京の「シルバーパス」は確かにすごい。

 他にもお得な情報としては、区レベルで行われている「
銭湯入浴券」の配布、民間でも映画館などのシルバー割引、この間見つけたのは美容院のシルバー割引なんてのもある。また、高齢者限定でなく誰でも使える「東京・ミュージアム ぐるっとパス2014」というお得なチケットもある。都内78美術館・博物館や動物園・水族園・植物園などの入場券または割引券がつづられたチケットブックで、一冊2,000円で最初に使ってから2ヶ月間有効。

 前に生活インフラで、東京には美術館
・博物館や動物園・水族園・植物園100以上あると書いたが、このチケットならほぼそれらを網羅出来る。それぞれの施設の窓口で買えるので、最初にチケットを買い、交通手段は「シルバーパス」を使えば、その後はお金はほとんどかからない。期間が区切られているのもミソで「いつでも行ける」と思うとなかなかいかないけど「2ヶ月」と区切られると行く気になるようだ。

 私の職場は大きな公園の近くで区立美術館もある。平日の午後、毎日のようにその前を通るのだが、
ご機嫌な高齢者たちに出会う。動きやすそうな服装で、足元はスニーカー、男性は何故かベスト姿に帽子、女性は両手が使えるように小さなバックを背負って軽快そうだ。見るたび「老後を満喫しているな」と思うのである。

 次回は具体的に東京なら
老後は何処がいいかというお話をしたい。東京に詳しくないので、あまり期待しないでね。
 
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