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Home 相談員のコラム 相談員コラム…老後は都会で⑨ 高齢者にとって居心地の良い場所

PostHeaderIcon 相談員コラム…老後は都会で⑨ 高齢者にとって居心地の良い場所


 風邪をひき、しつこい咳でゴホゴホしているうちに、クリスマスもお正月も過ぎていった。毎年のことながら年賀状を出さないので、この場でご挨拶。今年も一年よろしくお願いいたします。毎年、年賀状を下さる友人の皆さん、本当にありがとうね。

 
さて、この連載「老後は都会で」を書こうと思ったのは、都会で暮らす普通の高齢者はどんな生活をしているのだろうと気になったからだ。東京は長いが、高齢者の知り合いもいないし、ずっと職場と住まいの往復で日常的にお年寄りと遭遇する機会もない。だから私の高齢者情報は偏っていて地方の実家の親とその周辺情報しかなく、自分が老後をすごすであろう東京の老後生活を全く知らない事に気がついた。

 勤め人の時間帯や場所と高齢者のいる時間帯や場所が、まるで同じ東京の中でパラレルワールドのように交わらない別世界に存在しているようだ。でも、気になるとそれまで見えなかった(見ようとしなかった)高齢者の生活ぶりが良く見える。とくに数年前に会社勤めを辞めてから、平日にご近所を歩いたり、自転車で走ったりするせいか、いろんなタイプの高齢者をいろんな場所で見かける。まずはそのいくつかをご紹介しよう。

 先日、出先のある商店街の昼下がり(平日)、いつもならコーヒーチェーン店にいくのだが周りになく、小腹も空いていたので軽食が食べられる喫茶店に入った。コーヒーとカツサンドを頼み、まわりを見ると高齢者ばっかり。
夫婦連れや友達どうしもいるが、ひとりの人が多い。しかも杖をついたり、手押し車を押したりして次々にお年寄りがやってくる。

 新聞を読んだり、雑誌を読んだり、おしゃべりしたり、一杯のコーヒーで思い思いにすごし、みんな長居だ。いわゆる行きつけの喫茶店だ。お店の人も慣れた様子で、水をつぐついでに「寒いですねえ」とか声をかけ、たわいない会話を交わし、食べきれなかったサンドイッチも丁寧に包んでくれる。お店も空いている時間帯のリピーターは有り難いので、大事にしているようだ。確かに、セルフサービスのせわしないチェーン店にないゆったりした時間と空間だ。都会の高齢者はこんな穴場で過ごしているのかと感心する。

 次は銭湯。家に風呂はあるが、時々大きな湯船につかりたくて近くの銭湯につれあいと行く。混むのがイヤなので、開店時間の午後400に行くのだが、そこもお年寄りで一杯だ。みんな裸なのでとってもフレンドリーで、知らない人にでも声をかけるし、他の人たちの会話を聞くのもおもしろい。

 そこで教えてもらったのだが、世田谷区では65歳以上になると申し込めば入浴券が年間12枚もらえるということ。(後で区のHPで調べたら、お風呂のない高齢者世帯なら60枚、お風呂があってもひとり暮らしなら30枚もらえる。)お風呂が必要な人だけでなく、ひとり暮らしで誰とも話さない人、お風呂があってもひとりで入るのが不安な人も銭湯に行けば身も心もほっこりする。最近はドクターXの影響でもあるまいが、スタイルのいい若い人も来る。

 とくに人気なのが子連れのお母さん。おばあちゃんがワラワラ集まり「かわいい、かわいい」と褒めちぎってくれる。この間は外人さんの子供連れがいて、みんなに声をかけられていた。改めてお年寄りを集めて「さあ交流しましょう」といってもしらけるが、銭湯なら知らない人と話できる。行政もなかなか心憎いことをするなあ。

 最後に飲み屋さんのお話。1日歩き回り、夕暮れに最寄り駅の小さな居酒屋さんに入った時のこと。まだ、サラリーマンが来るには早い500頃、焼き鳥でビールを飲んでいると、おじいさんがひとりで入って来ていすに座る。お店の人が「いつものでいい?」と聞くと頷く。ひれ酒とおひたし、煮物、焼き鳥数本、テレビを見てお店の人と話ながらちびちびやって、最後におにぎりで締めてさっと帰っていった。この間、小一時間、夕食をかねていつものお店に一杯やりに来たのだろう。老後に一杯飲めるお店があると心豊かだと思う光景だった。
 

  美術館や図書館、映画館や観劇、デパートや商店街、いろんな楽しみが都会にはあるが、「老後の都会暮らし、いいなあ」と思わせるのはこんなありふれた日常の中にこそある。自分の親を見てもわかるが、年寄りは年寄り扱いが大嫌い。どんなに良いところでも「シルバー」「いきいき」なんてたぐいの所にはできれば行きたくない。

 できるだけ長く娑婆=市井の暮らしがしたい。ご紹介した喫茶店にしろ、銭湯や飲み屋さんにしろ老人向けではないけど、高齢者大歓迎だ。いずれ介護保険の世話になるけれど、介護世代未満の高齢者が気兼ねなく出かけ、気持ちよく過ごせるいきつけの場所があちこちにある。それが高齢者が都会で暮らす魅力のひとつだ。

 最終回のつもりでしたが、書き切れないので、次回は実際に地方から東京に住み替えたモデルケースをご紹介して最後にしたい。
  

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