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Home 相談員のコラム 相談員コラム…生命保険に入る3つの訳

PostHeaderIcon 相談員コラム…生命保険に入る3つの訳


 最近、生命保険(以下生保)についての相談が続いたので、何度も取り上げましたが、改めてここでちょっとまとめをします。

 少し前までは生保に過剰に入って家計費を圧迫しているケースが多く、保険の見直しはFP相談のメインの仕事になっていた。しかし、最近は生保が必要だと思われる人にも関わらず「要らない」という人が増えている。日本の生保業界がCMイメージ先行で付加保険料(保険会社のもうけ)も明らかにしないで売りまくって来た反動だと思うのだが、生保に過剰に依存する人とまったく関わらない人、この二極化が気になる。

 私は保険代理店もしていないし、保険会社の味方をするつもりもない。だた、金融資産を潤沢に持っていない私を含めたほとんどの人にとって保険はある局面で必要だと思う。だから保険は家計に負担をかけないように「掛け捨て」でなるべく安く、必要最低限にするべきだと考えている。

 私のFP相談では「相談シート」の記入をお願いしている。この中に「自分の入っている保険」を書き出してもらうのだが、その保険が「誰のため」「何のため」の保険かわからない事がある。実はこの「明確化」が大事で、誰のため何のためを明確にしていない「何となく、勧められ、心配だから、止めるきっかけがない」と数千万円の生保に入っているようなザックリしたケースが実に多い。私の考える生保に入る目的はたった3つ。(そのうち1つは必要ない)①子供(家族)、②相続、③葬式である。一つずつみてみよう。

 まず「子供(家族)」。生保が最も必要とされるケースだ。もし自分が死ぬと自分の稼ぎで扶養している人が路頭に迷う。そのための生保である。配偶者や親は大人なので、働いていたり、年金受給者であればそんなに保険金は必要ない。問題は未成年の子供である。公的年金から遺族年金も支給されるが、扶養する親が死んだがために進学をあきらめる事のないよう教育費ぐらいの保険には入るべきだろう。

 ザックリ小学生から大学まで全部公立で1000万円、全部私立で2000万円ぐらい。現実的には公立と私立が混ざるので1500万円。それに子供の人数をかける。2人なら3000万円。ただし、子供は大きくなっていくので、保険金額は徐々に減っていく。全て掛け捨てのネット生保では35歳男性で保険金額1500万円の場合、月々の保険料は2500円ぐらいだ。これは「子供の教育費のため」という明確な目的を持った生保である。もちろん、すでに子供の教育費ぐらいの金融資産があるという場合は必要ないが、なければ「保険なんて」と言わず入るべきだろう。生保は問題あるが、生保にしかできないこともある。

 つぎは「相続」。ご存じとは思うが、生保の死亡保険金のうち一部(法定相続人の数×500万円)は相続時に非課税となる。配偶者と子供2人の場合、法定相続人は3人で1500万円が非課税となる。これが一番のメリットで、相続税の基礎控除が下げられ都市部で家と預貯金を持っているとギリギリ相続税に引っかかるかもという場合は預金の一部を生保にする事で遺族が相続税に振り回されないで済む。この生保の目的は「残された家族の相続税対策」である。

 もうひとつ「相続」で生保を生かすやり方は「代償分割」の費用に充てる場合である。例えばメインの財産が分けられない不動産などで、子供の中で家業を継いでくれたとか介護を1人でやってくれたとかで、生産財や家を単独で残したい場合である。もちろん、他の法定相続人(多くは兄弟姉妹)が反対しなければ良いのだが、「○○ばっかり」とひがんで兄弟姉妹仲が悪くなるのがおちである。

 そこで、継がせたい子供を受取人として保険金を準備し、そのまとまった保険金で他の兄弟姉妹に家を相続することで生じる相続の不均等の穴埋めをさせる。家をもらえない代わりに現金を渡すのである。これを相続の「代償分割」という。だったら、家がもらえない子たちを保険金の受取人にすればと考えるかもしれないが、保険金は相続財産に含まれないので最悪、親が死んで歯止めがなくなれば、保険金ももらってその上で家を継いだ兄弟姉妹に「家を売って分割せよ」と迫るかもしれない。くれぐれもこの方法を使う場合は、継がせる子を受取人にすること。もちろん、相続を気にする高齢者ともなれば、掛け捨て生保は無理だろうから一時支払いの終身保険である。この生保の目的は「1人の子供ために家を相続させる」ためである。

 最後が「葬式」である。最近テレビコマーシャルや新聞広告が盛んでやけに目に付く。高齢者が保険金額50万円~200万円ために月々数千円の保険料を支払うという低額保険金の生保である。「お父さん、私たちだって葬式代くらい残したいわよねえ。」というあれである。最初は「こんな保険誰が買うんだろう」と鼻で笑っていたら、意外に売れているらしくビックリである。元々葬式代の50200万円がある人には無縁の保険である。葬式代の50万円を準備できない人のなけなしの財布から月々数千円を出させるなんて新手の高齢者詐欺としか私には思えない。高齢になると自分の葬式の事を夢想するらしいが「葬式なんかより介護の心配しよう」とお年寄りには言いたい。だから、葬式のための生保はいらないのだ。

 生保がどうしても必要なのは扶養する子供や家族がいる場合と相続のレアなケースしかない。大体、自動車や家なら「欲しい」「必要」という能動的動機で購入するが、生命保険というのは人(営業や代理店や保険の窓口やDM)に勧められて受け身で購入する。私も生保に「入る」とか「加入する」という表現をついしてしまうが、生命保険はあくまで商品で「買う」ものなのだ。だから保険会社の「安心を残そう」なんてボンヤリしたきれい事に惑わされる事なく、生保の目的を明確にして最低の費用で最大限の有効活用をして欲しい。 

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