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イラスト:鈴木ハルナ


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PostHeaderIcon 相談員コラム…老後の住まい⑤ 小さいお家

 
 老後の住まいについて、今までの話をちょっとまとめる。介護が必要となるまでの自立期の老後は「誰とどこでどんな住まいで暮らすのか」がとても大事だ。死ぬまでに一度してみたいことがあれば後で悔いるより、是非したほうがいい。ただし“庭付きの広い家”、“田舎暮らし”、“海外移住”という老後にありがちな夢はいろんな困難もあるので、いつでも撤退出来る金銭的余力を残して欲しい、というものだった。

 「じゃあ老後の理想の住まいは何なんだ!」と言われそうなので、私なりの答えを言うとそれはずばり“小さなお家”だ。1人暮らしで戸建てなら寝室とリビング水回り、マンションなら1DKか1LDK、広さで行ったら2030㎡、2人暮らしなら、5065㎡ぐらいかな。

 しかし、持ち家率86%と言われる高齢者(60歳以上)の方は、家族と住んだファミリータイプの広い家やマンションから今さら小さい家や狭いマンションに住み替えるなんて考えられないようだ。「住み慣れている」「荷物が多いから」「子どもや孫の帰る場所が欲しい」と言われる。せっかく住宅ローンが完済した自分の家を売って、狭い住居に引っ越すのは、何となく惨めだと思われるようだ。

 でも、住み慣れた家が老後に住みやすい家とは限らない。多くの場合、ファミリータイプの家は郊外にあり、子育て期には良い環境だが、交通機関を使わなければ生活が成り立たないというのでは、老後になるとかなり不便だ。前に書いたとおり広い家の管理も重荷となっていく。こうしていろんな不便や重荷にぎりぎりになるまで耐え続けても、ついに耐えきれなくなって介護施設に入所するケースが多い。この「広い郊外の家→介護施設」の間にワンステップ入れて「広い郊外の家→便利で小さい家→介護施設」とすることで、自立期の老後(たぶん20年ぐらい)がグッと違ったものになると思う。環境面は後述するとして、住まいとしての小さな家のメリットは

①何でも手が届く

②掃除や管理が楽

③荷物を減らさざるを得ないので、身軽になる

④冷暖房効率がよく、光熱費が安くなる

⑤人の手を借りやすい

⑥買っても、借りても安い

⑦貸したり、売ったりしやすい

と老後の暮らし方にぴったりだ。

 老後に一番大切なのは自由を支える“自立心”。それは身体の自立、生活の自立、経済の自立、精神の自立だ。もちろん年と共に、坂道を下るように出来ることは減っていくが、この坂道の傾斜を出来るだけゆるやかにしたい。

 というわけで、自立期の老後は「便利な物はどんどん取り入れ、人の手も借りて、身の丈にあった小さな家で過ごそう」という提案、いかがでしょうか? いま介護も施設介護から家族に頼らない在宅介護に移行しようという動きもあるので、環境が整えば、介護施設ではなく小さなお家が終の棲家になるかも知れない。次回は小さなお家の居心地の良さについて書いてみたい。


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