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PostHeaderIcon 相談員コラム…富裕層と相続税②


 前回の続きです。7月2日の「立ちすくむ税金 逃げる富裕層」という記事によると世界のかなりの国で相続税が無いそうだ。富裕層はあの手この手で資産を海外に移すので、どうせ取れないんだったら、せめて逃げられないようにしようということらしい。

 そんな富裕層の究極とも言える税回避の手段が「高級洋上マンション」だ。一室31~180㎡で5,400万円から4億円。維持費も年間数千万円。購入条件は一千万ドル(約8億円)以上の資産があり犯罪歴がないこと。船籍はタックスヘイブン(租税回避地)で有名なバハマで、相続税はおろか所得税も法人税もない。一年の多くを洋上で暮らせばバハマ居住者と見なされ、オーナーは税金から逃れられる。

 小説で読んだことはあるが、本当にあるんだなあ。ずっと観光旅行が続くのもしんどそうなので、どんなに贅沢な生活が送れるとはいえ私はうらやましいとは思わない。また、そうしてまでして相続税を回避するというのに割り切れない思いだ。やはり「ズルイ」と思うし、少なくとも尊敬はできない。回りにこんな金持ちはいないが、もし、知り合いが同じ事やったら、たまに恋しくなって日本に帰ってきたとしても絶対に会ってやらない。こんなごまめの歯ぎしり、痛くもかゆくもないだろう。むしろ「すごい!」と賞賛する人の方が多いのかもしれない。

 元々、軽々とお金をもって海外に逃げる人たちは、税務署や泥棒などから身を隠したいので、自分たちのノウハウの多くを語らない。でも、ネットで検索すれば海外のプライベートバンク口座の開設方法や永住権取得方法など、海外に資産を移す為のノウハウであふれている。ここ数年、円高もあり、お金を海外へ逃がす富裕層が広がっているようだ。その範囲には、一部の特殊な大金持ちから、ちょっとした資産家までもが含まれている。産業の空洞化だけでなく、大口の個人資産も空洞化しているわけだ。

 こんな状況で、日本の借金も1000兆円を超え増税やむなしの雰囲気だが、本当にそれでいいのだろうか。相続税だけではない。アマゾンの電子書籍の販売では、海外からダウンロードするので日本の消費税がかからない。すべての面でグローバル化が一層進んでおり、国単位を前提とした課税方法がすでに限界に来ていることを示唆している。税収が足りないから、なんでも増税という短絡的な方法では、とうてい税収の総額は増えないだろう。

 画期的解決策は思いつかないが、地方税と国税の比率を変え、所得税や法人税や相続税などを地域別に変えることが1つの実験となるかもしれない。北欧のように高福祉、高負担の地域や田舎だけど法人税が安いので会社が集まる所、消費税は高いけど回りに畑が借りられて自給自足できる場所など、税金の課税方法と、どのような生活を望むかによって住む場所を選べたらいい。行政と地域の人びとの工夫でいろいろ方法は考えられる。でも、それには今の借金、どうにかしないと…。

※前の記事は左の「相談員のコラム」で読めます。